合理的配慮・障害者手帳を活用した吃音診療

吃音のある人は人前で話す場面において不安や恐怖を感じる.人生の分かれ目となる入試や就職における面接などで,その不安や恐怖は大きくなる.コミュニケーションは話し手と聞き手のキャッチボールである.聞き手が変わることにより,吃音のある人の困り感は著明に軽減する.2016年に「障害者差別解消法」が施行され,大学などは合理的配慮の提供は義務とされている.入学試験および各種試験における面接・実技試験における合理的配慮の実例を紹介する.また,日本の雇用体制として,米国のジョブ型雇用と異なるメンバーシップ型雇用であり,就職活動に対して困難を感じている学生が多い.また,就職後も学生の頃にはなかった電話での仕事が...

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Veröffentlicht in:心身医学 2023, Vol.63(3), pp.236-240
1. Verfasser: 菊池, 良和
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:吃音のある人は人前で話す場面において不安や恐怖を感じる.人生の分かれ目となる入試や就職における面接などで,その不安や恐怖は大きくなる.コミュニケーションは話し手と聞き手のキャッチボールである.聞き手が変わることにより,吃音のある人の困り感は著明に軽減する.2016年に「障害者差別解消法」が施行され,大学などは合理的配慮の提供は義務とされている.入学試験および各種試験における面接・実技試験における合理的配慮の実例を紹介する.また,日本の雇用体制として,米国のジョブ型雇用と異なるメンバーシップ型雇用であり,就職活動に対して困難を感じている学生が多い.また,就職後も学生の頃にはなかった電話での仕事が増加することにより,配慮が必要になってくる.吃音症はICD-10ではF98.5に分類され,精神障害者保健福祉手帳の取得が可能である.医師だからこそできる就労支援として,障害者手帳の診断書は有効な支援法である.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.63.3_236