関節リウマチと抑うつ状態: 7 holy diseases研究からみた進歩と課題

抑うつ状態は関節リウマチ (RA) 患者の約15%に合併し, ①RAの疾患活動性に起因するもの, ②合併した他の病態によるもの, ③社会経済因子などによるものに分けられる. RAに対する抗リウマチ薬 (DMARD) 治療の進歩は著しく, 特に生物学的製剤 (bDMARD) では, 治療が有効であることに比例して合併する抑うつ状態も改善する. このことからもRAに合併する抑うつ状態の治療を行う際には, まずRAに対する十分なDMARD治療を行うことが重要であることが示された. RAに合併する抑うつ状態が改善するメカニズムとしては, tumor necrosis factor-αやinterleu...

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Veröffentlicht in:心身医学 2019, Vol.59(8), pp.723-727
Hauptverfasser: 三輪, 裕介, 穂坂, 路男, 松島, 大輔
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:抑うつ状態は関節リウマチ (RA) 患者の約15%に合併し, ①RAの疾患活動性に起因するもの, ②合併した他の病態によるもの, ③社会経済因子などによるものに分けられる. RAに対する抗リウマチ薬 (DMARD) 治療の進歩は著しく, 特に生物学的製剤 (bDMARD) では, 治療が有効であることに比例して合併する抑うつ状態も改善する. このことからもRAに合併する抑うつ状態の治療を行う際には, まずRAに対する十分なDMARD治療を行うことが重要であることが示された. RAに合併する抑うつ状態が改善するメカニズムとしては, tumor necrosis factor-αやinterleukin-6などのサイトカイン, dehydroepiandrosterone sulfateやオキシトシンなどのホルモンの関与が検討されているが明確なものはない. 現在の問題点としては, ①抑うつ状態が改善するメカニズムが不明であること, ②RAの疾患活動性を制御しても残存する抑うつ状態をきたす患者群があること, ③合併する疾患による抑うつ状態が改善できないことがunmet needsとして存在しており今後の課題である.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.59.8_723