わが国在住の最長寿者における心身医学的研究(1) : ライフスタイル,ライフヒストリーおよび行動医学・認知機能

九州地域在住の世界最高齢の日本人男性の心身医学的特性を調べる目的で,2008年1月20日時点でほとんど自立した日常生活を送っている112歳男性の生活歴,現在のライフスタイル,および身体的・精神的あるいは認知機能的状態を研究した.本例は,若き日々に本州で勉学と仕事に励み,帰郷後は役場で測量士の仕事をし,結婚した後は農業と畜産を天職とした.本例は飲酒も喫煙もせず,健康状態には敏感で,少しでも体調不良の際は医者に診てもらった.精神・行動医学的検査得点から,不安・うつ状態は考えられず,行動パターンでも低得点を示し,認知機能検査の結果では「認知症」の診断基準外の高得点で問題なかった.また家族のサポート,...

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Veröffentlicht in:心身医学 2009/02/01, Vol.49(2), pp.153-159
Hauptverfasser: 秋坂, 真史, 山本, 文枝, 鈴木, 成治, 平塚, 正伸, 小牧, 斎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:九州地域在住の世界最高齢の日本人男性の心身医学的特性を調べる目的で,2008年1月20日時点でほとんど自立した日常生活を送っている112歳男性の生活歴,現在のライフスタイル,および身体的・精神的あるいは認知機能的状態を研究した.本例は,若き日々に本州で勉学と仕事に励み,帰郷後は役場で測量士の仕事をし,結婚した後は農業と畜産を天職とした.本例は飲酒も喫煙もせず,健康状態には敏感で,少しでも体調不良の際は医者に診てもらった.精神・行動医学的検査得点から,不安・うつ状態は考えられず,行動パターンでも低得点を示し,認知機能検査の結果では「認知症」の診断基準外の高得点で問題なかった.また家族のサポート,特に優秀な介護者の存在が不可欠であり,これらのことが本例をして稀有な世界最高齢者としての心身の健康な状態を保持させていると思われた.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.49.2_153