13.急性器質性脳症候群を呈した血球貪食症候群の症例(第30回日本心身医学会中国・四国地方会演題抄録)
急性器質性脳症候群(OBS)を呈した血球貪食症候群(HPS)の3症例を報告した. HPSは, 病理学的には活性化したマクロファージが広汎に浸潤し, 組織を障害する. 骨髄検査で, 良性マクロファージによる血球貪食像を認める. 症例:66歳男性, 79歳男性, 66歳女性であった. 全例が高熱ともうろう状態を呈して入院した. 入院時には, 汎血球減少, 血清GOT, GPT, LDH, CK, フェリチン値の上昇を認めた. 可溶性IL-2受容体の増加も認めた. 髄液では細胞増多を認めなかった. 骨髄像からHPSと診断された. 入院後に3例とも発症初期にせん妄を呈した. その後幻覚, 焦燥, 自発...
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Veröffentlicht in: | 心身医学 2007/12/01, Vol.47(12), pp.1054 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 急性器質性脳症候群(OBS)を呈した血球貪食症候群(HPS)の3症例を報告した. HPSは, 病理学的には活性化したマクロファージが広汎に浸潤し, 組織を障害する. 骨髄検査で, 良性マクロファージによる血球貪食像を認める. 症例:66歳男性, 79歳男性, 66歳女性であった. 全例が高熱ともうろう状態を呈して入院した. 入院時には, 汎血球減少, 血清GOT, GPT, LDH, CK, フェリチン値の上昇を認めた. 可溶性IL-2受容体の増加も認めた. 髄液では細胞増多を認めなかった. 骨髄像からHPSと診断された. 入院後に3例とも発症初期にせん妄を呈した. その後幻覚, 焦燥, 自発性減退, 感情失禁, 不眠などさまざまな精神症状を呈した. ステロイド, 免疫グロブリン, 向精神薬などによる治療で精神症状および全身状態, 各種検査所見が改善し, 全例が軽快退院した. 高サイトカイン血症に関連した急性OBSを呈したことが考えられる. |
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ISSN: | 0385-0307 2189-5996 |
DOI: | 10.15064/jjpm.47.12_1054_3 |