37. 入院加療中にBOOPを合併し,解決困難な心理社会的背景から再燃した大うつ病性障害の1症例(第43回 日本心身医学会九州地方会演題抄録 (2))

症例:66歳, 女性, 主婦. ときどき動悸がみられ, X-5年, 発作性心房細動に対して, ablationを施行. その後, 徐脈となり, X-3年ペースメーカー植込み術を施行. しかし, 全身倦怠感などが出現. 某院にて抗うつ薬などの投薬を受けるも, 全身脱力感が強くなり, 長期内服はできなかった. その後, 症状は増悪寛解を繰り返していた. 内科的精査にて, 症状に関連する器質的疾患は認められなかったため, X年4月7日, 当科初診. 外来で抗うつ薬の再開を試みたが, 自己中止していた. 5月14日加療のため入院し, 安静, 休養, 薬物療法, 支持的面接を中心に治療を開始した. これ...

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Veröffentlicht in:心身医学 2005/03/01, Vol.45(3), pp.239-240
Hauptverfasser: 庄司, 容子, 菅原, 英世, 福留, 克行, 増田, 由紀子, 久保, 千春
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例:66歳, 女性, 主婦. ときどき動悸がみられ, X-5年, 発作性心房細動に対して, ablationを施行. その後, 徐脈となり, X-3年ペースメーカー植込み術を施行. しかし, 全身倦怠感などが出現. 某院にて抗うつ薬などの投薬を受けるも, 全身脱力感が強くなり, 長期内服はできなかった. その後, 症状は増悪寛解を繰り返していた. 内科的精査にて, 症状に関連する器質的疾患は認められなかったため, X年4月7日, 当科初診. 外来で抗うつ薬の再開を試みたが, 自己中止していた. 5月14日加療のため入院し, 安静, 休養, 薬物療法, 支持的面接を中心に治療を開始した. これまでうつ病の説明を十分に受けず, 薬物コンプライアンスも悪かったため, 本人の訴えを受容しながらうつ病とその治療の説明を繰り返し行った. 8月13日に外泊するまで, 抑うつ症状は改善傾向であったが, 外泊後肺炎を発症, その後BOOPを発症し, 抑うつ症状も悪化した状態で呼吸器科転科となった. 抑うつ症状の悪化は, シプロキサンの影響, 肺炎, 長期臥床による体力低下, 退院への不安なども考えられた. 患者は, 家庭環境の理由で退院を希望せず, 最終的には心理社会的背景を扱わなければ抑うつ症状の改善は困難と考えられた.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.45.3_239_4