55.男性恐怖からパニック発作を繰り返し,引きこもり,失声を呈したPTSDの1例(第39回 日本心身医学会九州地方会)

解決志向アプローチに外在化技法を組み合わせることで奏効した症例を報告する. 症例は24歳, 女性. 学生時代に暴力を受けたのを契機に男性恐怖となり, 通勤途中の電車内で過換気を伴うパニック発作を繰り返し, 家に閉じこもるようになった. 1997年10月, K病院を受診し, 約6ヵ月間入院加療を受け, 症状は一時改善したが, 10月, 満員電車の中というイメージトレーニング中に声が出なくなり, 12月当科を受診し入院. 病気の原因を「病気の虫」として徹底して外在化し, 虫の観察記録をっけてもらう一方で, 患者の過去のつらい体験とその後の苦しみに対しては, ありのままを承認し, ねぎらう姿勢をとっ...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:心身医学 2002/08/01, Vol.42(8), pp.547
Hauptverfasser: 椋田, 稔朗, 堀江, 静, 安部, 博史, 松林, 直
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:解決志向アプローチに外在化技法を組み合わせることで奏効した症例を報告する. 症例は24歳, 女性. 学生時代に暴力を受けたのを契機に男性恐怖となり, 通勤途中の電車内で過換気を伴うパニック発作を繰り返し, 家に閉じこもるようになった. 1997年10月, K病院を受診し, 約6ヵ月間入院加療を受け, 症状は一時改善したが, 10月, 満員電車の中というイメージトレーニング中に声が出なくなり, 12月当科を受診し入院. 病気の原因を「病気の虫」として徹底して外在化し, 虫の観察記録をっけてもらう一方で, 患者の過去のつらい体験とその後の苦しみに対しては, ありのままを承認し, ねぎらう姿勢をとった. 注意深い虫の観察と段階的な発声訓練の結果, 徐々に虫は居場所がなくなり, 1ヵ月後には復声し, 電車に乗ることも可能となり退院した.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.42.8_547_4