肺炎による死の恐怖が著しい自律神経失調を誘発させたと考えられるALSの1例

症例は57歳, 男性. X年3月頃にALSを発症. X+2年9月2日, 急激に呼吸困難をきたし当科入院, 人工呼吸器が装着された. 全身状態が安定し, 在宅療養を行うための治療連携が可能となったため, 11月17日退院した. しかし, 11月27日, 肺炎を発症し再入院となった. 入院時患者は肺炎による死の恐怖が強く, 血圧, 脈拍が著しく変動した. 肺炎, 精神面の治療を行ったところ, 著しい自律神経失調症状, 精神症状とも安定した. 本症例の場合, 肺炎による死の恐怖等の心理社会的ストレス, 呼吸循環器系への過剰負荷が, 著しい自律神経失調症状に関与したと考えられた. ALSの患者は死の恐...

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Hauptverfasser: 植本香織, 長岡幾雄, 寺田道元, 末永貴美, 森岡壯充
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は57歳, 男性. X年3月頃にALSを発症. X+2年9月2日, 急激に呼吸困難をきたし当科入院, 人工呼吸器が装着された. 全身状態が安定し, 在宅療養を行うための治療連携が可能となったため, 11月17日退院した. しかし, 11月27日, 肺炎を発症し再入院となった. 入院時患者は肺炎による死の恐怖が強く, 血圧, 脈拍が著しく変動した. 肺炎, 精神面の治療を行ったところ, 著しい自律神経失調症状, 精神症状とも安定した. 本症例の場合, 肺炎による死の恐怖等の心理社会的ストレス, 呼吸循環器系への過剰負荷が, 著しい自律神経失調症状に関与したと考えられた. ALSの患者は死の恐怖と対面する時期があり, チーム医療による連携, 精神的サポートが重要である.
ISSN:0385-0307