摂食障害患者に対するPILテストの検討
目的と対象:摂食障害患者(ED)26名(神経性過食症BN19名, 神経性食思不振症AN7名)と健常者(NC)13名にPILテストを施行し, 比較検討した. 結果:平均値では, EDはNCに比し, 現在受容度, 主体性, 明確度, 統合度, 達成感, 実存的空虚感で有意に低値だった. 得点別では, EDはNCに比し人生態度の未来受容度, 主体性, 意味目的の明確度, 統合度, 達成感, 実存的空虚感, 態度価値の死生観で低得点者が有意に多かった. 特に実存的空虚感は最も高い水準(0.1%)で低値だった. BNとANの平均値の比較では, BNはANに比し自殺観が有意に低かった. 考察:EDは, 過...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 目的と対象:摂食障害患者(ED)26名(神経性過食症BN19名, 神経性食思不振症AN7名)と健常者(NC)13名にPILテストを施行し, 比較検討した. 結果:平均値では, EDはNCに比し, 現在受容度, 主体性, 明確度, 統合度, 達成感, 実存的空虚感で有意に低値だった. 得点別では, EDはNCに比し人生態度の未来受容度, 主体性, 意味目的の明確度, 統合度, 達成感, 実存的空虚感, 態度価値の死生観で低得点者が有意に多かった. 特に実存的空虚感は最も高い水準(0.1%)で低値だった. BNとANの平均値の比較では, BNはANに比し自殺観が有意に低かった. 考察:EDは, 過去, 現在, 未来を通じ人生の意味が見いだせず, 主体的に人生に関わろうとする意欲もほとんど見いだせない症例が多かった. したがって, EDの心理療法では, 実存的空虚感が満たされ, 過去, 現在, 未来にわたって, 自己受容ができることが重要な観点の一つであると考えられた. |
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ISSN: | 0385-0307 |