地域公的基幹病院におけるCOVID-19初期診療経験とそこからの教訓

本研究の目的は,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が国内で蔓延し救急要請が増える中,地域公的基幹病院におけるCOVID-19診療体制を確立して診療した経験と初期経験から得られた教訓について報告する事である。4月7日発熱外来を設置し,7月23日からCOVID-19患者の受け入れを開始した。4月7日から9月30日までの診療実績を検討し,そこから得た教訓を報告した。発熱救急外来受診者は364人であったが,COVID-19患者陽性例はいなかった。COVID-19専用病棟には20人が入院した。軽症19例,中等症1例であった。全例軽快退院した。院内感染発生例はなかった。SARS-CoV-2核酸検...

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Veröffentlicht in:日本農村医学会雑誌 2021, Vol.70(1), pp.22-31
Hauptverfasser: 久我, 貴之, 矢野, 由香, 重田, 匡利, 坂本, 龍之介, 竹原, 万由, 永井, 里枝, 松野, 多希子, 永尾, 恵, 渡邉, 恵代, 松田, 純一, 久保江, 律子, 花島, まり
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究の目的は,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が国内で蔓延し救急要請が増える中,地域公的基幹病院におけるCOVID-19診療体制を確立して診療した経験と初期経験から得られた教訓について報告する事である。4月7日発熱外来を設置し,7月23日からCOVID-19患者の受け入れを開始した。4月7日から9月30日までの診療実績を検討し,そこから得た教訓を報告した。発熱救急外来受診者は364人であったが,COVID-19患者陽性例はいなかった。COVID-19専用病棟には20人が入院した。軽症19例,中等症1例であった。全例軽快退院した。院内感染発生例はなかった。SARS-CoV-2核酸検出検査(PCR検査)又は抗原検査陰性までの入院期間と入院時フェリチン値,年齢,入院時CRP値とに有意な相関関係があった。患者の半数以上に精神的ストレスがみられ,同時に専任看護師にもストレスが生じていた。自験例のデータから得られた独自の診療方針や「つぶやきノート」を作成する事は患者の診療や看護における説明の根拠のみならず,患者および専任看護師のメンタルケアに役立つと考える。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.70.22