注意欠陥多動性障害児の行動評価: 1対1の場面と集団場面での比較を中心に

近年, 小児科領域では, 注意欠陥多動性障害 (以下ADHDと略す) の子どもと出会う機会が増えている。今回は, こうしたADHD児の行動に注目して研究をすすめていくことにした。 本研究では, 「ADHDの症状チェックリスト」を用いて, 心理相談室での臨床心理士との1対1の場面と, 小児科主催のキャンプでの集団場面のADHD児の行動評価及び観察をおこなった。 その結果, 心理相談室内での子どもの行動は, 心理療法開始時と比べ, 治療後には「注意欠陥」「衝動性」「多動性」「友人関係」の全ての尺度において改善が認められた。薬物療法と心理療法を併用して継続することによって, 1対1の場面での行動改善...

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Veröffentlicht in:日本農村医学会雑誌 2003, Vol.52(4), pp.737-743
Hauptverfasser: 塩谷, 純子, 川瀬, 正裕, 山本, 弘一, 白井, 博美, 桜井, 迪朗, 長嶋, 孝昌
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年, 小児科領域では, 注意欠陥多動性障害 (以下ADHDと略す) の子どもと出会う機会が増えている。今回は, こうしたADHD児の行動に注目して研究をすすめていくことにした。 本研究では, 「ADHDの症状チェックリスト」を用いて, 心理相談室での臨床心理士との1対1の場面と, 小児科主催のキャンプでの集団場面のADHD児の行動評価及び観察をおこなった。 その結果, 心理相談室内での子どもの行動は, 心理療法開始時と比べ, 治療後には「注意欠陥」「衝動性」「多動性」「友人関係」の全ての尺度において改善が認められた。薬物療法と心理療法を併用して継続することによって, 1対1の場面での行動改善や成長がみられると考えられた。しかし, キャンプのような刺激の多い集団場面では, 「多動性」の得点が高くなった。こうした行事や不慣れな場所などいつもと違った場面では, 1対1の場面とは異なる注意が必要であり, それを周囲が理解していることが重要だと考えられた。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.52.737