23. 循環動態が不安定な患者における透析時のクリットラインモニターの使用経験

クリットラインモニター(CLM)が透析時の除水速度の調整に有用であった症例を経験したので報告する. 〔症例1〕61歳女性. 透析歴26年, 腸穿孔の術後で敗血症性ショックを合併. 術直後はPMXとCHDFを行ったが, 術後第5病日よりHDに変更. 血圧は低めであったが, 一日点滴量を短時間で除水する必要があった. 低い血圧でも, CLMで除水速度を上げることができた. 〔症例2〕83歳男性. 透析歴5年. 低栄養状態で常時低血圧患者. 右胸水と肺うっ血のため, 除水を行う必要があった. CLMで, 除水速度を上げることができた. 〔まとめ〕アルブミンや新鮮凍結血漿の点滴は, 血管内の膠質浸透圧...

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Veröffentlicht in:日本農村医学会雑誌 2000, Vol.48 (5), p.775-775
Hauptverfasser: 村田三紀, 平田充博, 野村貴美子, 伊藤美恵子, 長谷川静, 乙川明子, 諸我浩, 川崎愛子, 柄澤良
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:クリットラインモニター(CLM)が透析時の除水速度の調整に有用であった症例を経験したので報告する. 〔症例1〕61歳女性. 透析歴26年, 腸穿孔の術後で敗血症性ショックを合併. 術直後はPMXとCHDFを行ったが, 術後第5病日よりHDに変更. 血圧は低めであったが, 一日点滴量を短時間で除水する必要があった. 低い血圧でも, CLMで除水速度を上げることができた. 〔症例2〕83歳男性. 透析歴5年. 低栄養状態で常時低血圧患者. 右胸水と肺うっ血のため, 除水を行う必要があった. CLMで, 除水速度を上げることができた. 〔まとめ〕アルブミンや新鮮凍結血漿の点滴は, 血管内の膠質浸透圧を上げ循環血液量を増加させることで除水を容易にする. しかし, 血圧が低い状態での除水速度の調節は試行錯誤するしかない. CLMで循環血液量の変動をモニターすると, 血圧が低い状態でも, 除水速度を安全に調節することが可能であると考えられた.
ISSN:0468-2513