閉経後に子宮捻転をきたした子宮筋腫の2例
子宮捻転は稀な疾患であり, 子宮が長軸方向を中心として捻転する疾患である. 閉経後に子宮捻転を発症した2症例を経験したので報告する. 症例1 62歳, 0妊0産, 突然の下腹部痛のため前医を救急受診した. 単純CTで下腹部に15cm大の内部に石灰化を伴う巨大な腫瘤を認め, 外科的治療が必要と判断されたため当院へ転院搬送となった. 緊急手術を施行したところ, 子宮筋腫のため小児頭大に腫大した子宮が長軸方向に3回捻転していた. 子宮捻転の診断で, 腹式子宮全摘術, 両側付属器摘出術を施行した. 症例2 73歳, 0妊0産, 突然の嘔吐のため近医を受診したが, 症状増悪したため, 前医へ救急搬送され...
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Veröffentlicht in: | 現代産婦人科 2023-06, Vol.72 (2), p.221-226 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 子宮捻転は稀な疾患であり, 子宮が長軸方向を中心として捻転する疾患である. 閉経後に子宮捻転を発症した2症例を経験したので報告する. 症例1 62歳, 0妊0産, 突然の下腹部痛のため前医を救急受診した. 単純CTで下腹部に15cm大の内部に石灰化を伴う巨大な腫瘤を認め, 外科的治療が必要と判断されたため当院へ転院搬送となった. 緊急手術を施行したところ, 子宮筋腫のため小児頭大に腫大した子宮が長軸方向に3回捻転していた. 子宮捻転の診断で, 腹式子宮全摘術, 両側付属器摘出術を施行した. 症例2 73歳, 0妊0産, 突然の嘔吐のため近医を受診したが, 症状増悪したため, 前医へ救急搬送された. 腹部単純CT検査で, 子宮筋腫茎捻転が疑われ, 外科的治療が必要と判断され当院へ転院搬送となった. 開腹時, 腹腔内に石灰化を伴う巨大子宮筋腫が左側に偏位し, 子宮は子宮峡部付近で1回捻転していた. また, 巨大結腸症のため拡張した腸管を認めた. 腹式子宮全摘術, 両側付属器摘出術を施行した. 閉経後の子宮筋腫を有する女性の急性腹症では, 子宮捻転を起こすことがあることを念頭に治療する必要がある. |
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ISSN: | 1882-482X |