過多月経に対してのマイクロ波子宮内膜アブレーションの際に偶発的に治療を行った子宮内膜癌の症例
マイクロ波子宮内膜アブレーション(MEA)は, 子宮筋腫, 子宮腺筋症, 抗凝固剤の内服や原因不明の過多月経に対して, 月経量を減少させることを主な目的とした治療法である. 日本のMEA実施ガイドラインでは子宮内膜癌は適応でなく, 子宮内膜癌に対するMEAの報告は少なく, 早期子宮内膜癌に対して治療が有効かは不明である. 過多月経に対してMEAを行った際に子宮内膜癌の治療も行い得たと判断された症例を経験したので報告する. 症例は46歳女性, 2妊2産. 3年前より過多月経を認めていた. 近医内科で貧血(Hb7.7g/dl)を指摘され当科に紹介受診となった. 子宮は正常大, 子宮筋腫, 内膜ポリ...
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Veröffentlicht in: | 現代産婦人科 2018-12, Vol.67 (1), p.49-51 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | マイクロ波子宮内膜アブレーション(MEA)は, 子宮筋腫, 子宮腺筋症, 抗凝固剤の内服や原因不明の過多月経に対して, 月経量を減少させることを主な目的とした治療法である. 日本のMEA実施ガイドラインでは子宮内膜癌は適応でなく, 子宮内膜癌に対するMEAの報告は少なく, 早期子宮内膜癌に対して治療が有効かは不明である. 過多月経に対してMEAを行った際に子宮内膜癌の治療も行い得たと判断された症例を経験したので報告する. 症例は46歳女性, 2妊2産. 3年前より過多月経を認めていた. 近医内科で貧血(Hb7.7g/dl)を指摘され当科に紹介受診となった. 子宮は正常大, 子宮筋腫, 内膜ポリープなどの所見は認め無かった. 初診時子宮腟部・内膜細胞診に異常を認めずMEAの方針となった. MEA施行時の子宮鏡では癌を疑う所見を認めなかったが, MEA時の子宮内膜全面掻爬組織診で子宮内膜癌(類内膜癌grade2)を認めた. MEA後の子宮内膜細胞診も異常を認めず, 造影MRI・CTでも子宮筋層浸潤・遠隔転移の所見は認めなかった. MEA治療前は微小浸潤までの子宮内膜癌IA期であったと考えられた. MEA施行6週間後に腹式子宮全摘術+両側付属器切除術を施行した. 術後病理組織診断では, 子宮内膜・筋層表層部は凝固壊死し, 癌の残存病変は認めず, 一部に構造異型を窺う腺管が凝固壊死に陥った像を認めたのみであった. 子宮筋層浸潤を認めないと思われる子宮内膜癌IA期症例に対してMEAが治療法の選択の一つになる得る可能性が示唆された. |
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ISSN: | 1882-482X |