Candida albicansによる絨毛膜羊膜炎により早産及び児の先天性全身性カンジダ症に至った1例
Candida albicans(以下C.albicans)による絨毛膜羊膜炎は稀であるが, 児の先天性全身性カンジダ症をおこした場合, 児の予後は重篤となる. 今回, 当院においてC.albicansを起因菌として絨毛膜羊膜炎を生じ, 早産及び児の先天性全身性カンジダ症に至った症例を経験したので報告する. 【症例】32歳1妊0産, 前医で妊娠23週3日より切迫早産管理を行っていたが, 子宮収縮抑制困難となり2日後(妊娠23週5日)に当科母体搬送となった. 入院時より塩酸リトドリン, 硫酸マグネシウム, Ampicillin/Sulbactam(ABPC/SBT)及びウリナスタチン腟錠を投与し...
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Veröffentlicht in: | 現代産婦人科 2018-12, Vol.67 (1), p.25-29 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | Candida albicans(以下C.albicans)による絨毛膜羊膜炎は稀であるが, 児の先天性全身性カンジダ症をおこした場合, 児の予後は重篤となる. 今回, 当院においてC.albicansを起因菌として絨毛膜羊膜炎を生じ, 早産及び児の先天性全身性カンジダ症に至った症例を経験したので報告する. 【症例】32歳1妊0産, 前医で妊娠23週3日より切迫早産管理を行っていたが, 子宮収縮抑制困難となり2日後(妊娠23週5日)に当科母体搬送となった. 入院時より塩酸リトドリン, 硫酸マグネシウム, Ampicillin/Sulbactam(ABPC/SBT)及びウリナスタチン腟錠を投与した. 腟分泌物培養でC.albicansが検出され, これが持続したため, 妊娠25週0日にOxiconazole(OCZ)腟錠を単回投与した. しかし, これら治療にも拘らず妊娠26週4日に胎胞脱出, 高位破水のため緊急帝王切開となった. 出生時, 児の皮膚に粃糠性皮膚炎と紅色小丘疹を認めたため, 真菌感染を疑い採取していた羊水を鏡検したところ, カンジダを疑う酵母様真菌と好中球の貪食像を多数認めた. 羊水培養でC.albicansが検出され, 病理診断でカンジダによる絨毛膜羊膜炎の診断に至った. 術後, 母体・児ともに早期の抗真菌剤による治療を行った. 母体経過は良好, 児は先天性全身性カンジダ症を発症した. 児は同院周産母子センターで集約的かつ長期の管理を行い治癒・生存に至った. カンジダによる絨毛膜羊膜炎及び児の先天性カンジダ症は腟カンジダ症からの上行性感染が少なくない. 先天性カンジダ症は稀ではあるが, 児に重大な影響を与えるため, 軽視できない疾患である. 妊娠中の腟カンジダ症の治療の必要性に関して再考すべき症例と考える. |
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ISSN: | 1882-482X |