当院における子宮内膜癌・子宮内膜異型増殖症における妊孕性温存治療の成績
【緒言】近年, 妊孕性温存を必要とする若年子宮体癌患者数は増加傾向にある. 子宮内膜癌(Endometrial cancer: EC)および前癌病変の子宮内膜異型増殖症(Atypical endometrial hyperplasia: AEH)に対しては, 手術による子宮摘出が標準的治療とされている. 一方, 妊孕性温存を考慮する場合は十分かつ適切な診断と説明のもと, 黄体ホルモン療法による保存治療が適応されている. 今回, 当院における黄体ホルモン療法の治療効果と, 寛解後の妊娠成績について検討した. 【方法】徳島大学病院でECおよびAEHと診断された40歳未満の23症例のうち, 黄体ホル...
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Veröffentlicht in: | 現代産婦人科 2017-12, Vol.66 (1), p.27-32 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【緒言】近年, 妊孕性温存を必要とする若年子宮体癌患者数は増加傾向にある. 子宮内膜癌(Endometrial cancer: EC)および前癌病変の子宮内膜異型増殖症(Atypical endometrial hyperplasia: AEH)に対しては, 手術による子宮摘出が標準的治療とされている. 一方, 妊孕性温存を考慮する場合は十分かつ適切な診断と説明のもと, 黄体ホルモン療法による保存治療が適応されている. 今回, 当院における黄体ホルモン療法の治療効果と, 寛解後の妊娠成績について検討した. 【方法】徳島大学病院でECおよびAEHと診断された40歳未満の23症例のうち, 黄体ホルモン療法を施行した26~40歳の14症例について後方視的に検討した. 【成績】黄体ホルモン療法(MPA400-600mg/日)により14症例中13例でCR, 1例でPRが得られたが, その後4例に再発を認めた. そのうち2例では再度黄体ホルモン療法が施行され, CRが得られた. 全症例とも診断の時点で出産歴はなかった. 14例中10例には挙児希望があり, 10例全例に対して妊娠を目的として排卵誘発/生殖補助医療(ART)(体外受精・顕微受精)が施行された. 黄体ホルモン療法後直ちにARTを施行した症例は3例で, 他の6例では排卵誘発が選択された. これらの治療の結果, 6症例において合計11回の妊娠が成立し, 5症例において7名の生児が獲得された. 4例は流産となり1例は現在妊娠継続中である. 【結論】黄体ホルモン療法により高い寛解率が得られた. また, 寛解後に挙児希望患者の約半数で妊娠が成立しており, 妊孕性温存を希望する症例にとって黄体ホルモン療法は有効な治療法であると考えられた. 一方, 再発率も高いため, 挙児希望のある症例に対しては積極的な介入により早期の妊娠を図ることが望ましいと考えられた. |
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ISSN: | 1882-482X |