複数の変色範囲を有するpH指示薬の蛋白誤差
「I. 緒言」 pH指示薬はpHにより色調を変化させるため, 溶液pHの測定に応用されている. しかし, 測定に際しては蛋白誤差, 塩誤差, 溶媒誤差などに留意する必要がある. 蛋白誤差は溶液pHによらない蛋白質存在下で起こる色調変化(変色)である. 蛋白誤差を示すpH指示薬は多数あり, この現象はブロムフェノールブルー(BPB), ブロムクレゾールグリーン(BCG)やブロムクレゾールパープル(BCP)などを用いる蛋白質定量法に広く応用されている. この蛋白誤差による発色については化学平衡論に基づく解析がなされ, 主反応である解離型pH指示薬陰イオンと正荷電蛋白質の結合による発色は無機塩や界面...
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Veröffentlicht in: | 生物試料分析 2015-06, Vol.38 (3), p.181-188 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I. 緒言」 pH指示薬はpHにより色調を変化させるため, 溶液pHの測定に応用されている. しかし, 測定に際しては蛋白誤差, 塩誤差, 溶媒誤差などに留意する必要がある. 蛋白誤差は溶液pHによらない蛋白質存在下で起こる色調変化(変色)である. 蛋白誤差を示すpH指示薬は多数あり, この現象はブロムフェノールブルー(BPB), ブロムクレゾールグリーン(BCG)やブロムクレゾールパープル(BCP)などを用いる蛋白質定量法に広く応用されている. この蛋白誤差による発色については化学平衡論に基づく解析がなされ, 主反応である解離型pH指示薬陰イオンと正荷電蛋白質の結合による発色は無機塩や界面活性剤などにより修飾され変化することが示されている. 血清アルブミンや尿蛋白質の定量法に応用されているBPB, BCGおよびBCPは変色範囲が1つであるが, フェノールレッド(PR), クレゾールレッド(CR)およびチモールブルー(TB)は酸性領域とアルカリ性領域の2領域に変色範囲を有している. |
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ISSN: | 0913-3763 |