小児心不全患者における血清BNP, 血漿NT-ProBNPの評価

「I. 緒言」ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)と前駆体N端フラグメント(NT-proBNP)は心不全の臨床指標として利用されている1-2). 健常人のBNPとNT-proBNPの血中濃度は極めて低値であるが, 急性および慢性心不全患者では重症度により血中濃度が上昇するため, 心不全の診断に有用である3-4). BNPおよびNT-proBNPは前駆体ホルモンであるproBNPより合成され5), 心負荷によりproBNPの生合成は急速に亢進し, 主に左心室から血中に分泌される過程で, N末端側のNT-proBNP(1~76)と, BNP(77~108)に分解される. BNPは血管平滑筋,...

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Veröffentlicht in:生物試料分析 2011, Vol.34 (4), p.287-292
Hauptverfasser: 滝脇正貴, 宇治義則, 北島勲
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. 緒言」ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)と前駆体N端フラグメント(NT-proBNP)は心不全の臨床指標として利用されている1-2). 健常人のBNPとNT-proBNPの血中濃度は極めて低値であるが, 急性および慢性心不全患者では重症度により血中濃度が上昇するため, 心不全の診断に有用である3-4). BNPおよびNT-proBNPは前駆体ホルモンであるproBNPより合成され5), 心負荷によりproBNPの生合成は急速に亢進し, 主に左心室から血中に分泌される過程で, N末端側のNT-proBNP(1~76)と, BNP(77~108)に分解される. BNPは血管平滑筋, 心筋, 腎尿細管上皮細胞に存在する受容体natriuretic peptide receptor(NPR)-Aを介して, 血管拡張作用や利尿作用を発揮し, 体液量や血圧の調整に重要な役割を果たしている6). 一方, NT-proBNPは受容体には結合せず, 生物学的活性は認めない.
ISSN:0913-3763