放射線治療における医学物理士・放射線治療品質管理士に関するアンケート調査結果報告

近年,放射線治療の品質管理と関連した医療事故の報告が後を絶たない.また,昨今の放射線治療技術の進歩により,高精度放射線治療が実現可能となってきたが,そのためには,以前にも増した品質管理の重要性がある.臨床現場で放射線治療の品質管理を実施する者として,医学物理士や放射線治療専門認定技師,そして放射線治療品質管理士が認定され,有資格者が増えてはいるが,実際には,専任でそれら業務を実施する人を,各施設で雇用しているところは,数少ない.そのため,ほとんどの場合は,これまでと変わらずに診療放射線技師が肩代わりして管理業務を実施している状況と推測される.今回,JASTRO将来計画委員会では,医学物理士,放...

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Veröffentlicht in:Journal of JASTRO 2008/03/25, Vol.20(1), pp.29-35
Hauptverfasser: 西尾, 禎治, 芦野, 靖夫, 大西, 洋, 岡崎, 篤, 荻野, 尚, 佐々木, 良平, 佐藤, 守男, 中野, 隆史, 中村, 和正, 福田, 晴行, 永田, 靖, 手島, 昭樹, JASTRO将来計画委員会
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:近年,放射線治療の品質管理と関連した医療事故の報告が後を絶たない.また,昨今の放射線治療技術の進歩により,高精度放射線治療が実現可能となってきたが,そのためには,以前にも増した品質管理の重要性がある.臨床現場で放射線治療の品質管理を実施する者として,医学物理士や放射線治療専門認定技師,そして放射線治療品質管理士が認定され,有資格者が増えてはいるが,実際には,専任でそれら業務を実施する人を,各施設で雇用しているところは,数少ない.そのため,ほとんどの場合は,これまでと変わらずに診療放射線技師が肩代わりして管理業務を実施している状況と推測される.今回,JASTRO将来計画委員会では,医学物理士,放射線治療品質管理士の 2 つの資格に絞って,臨床現場における実態調査を把握する目的で,726施設へのアンケート調査を実施した.調査を行った施設の約半数である353施設から返答があった.アンケート調査の結果では,返答のあった約半数の178施設で,1 人は資格を持った人が在籍している結果となった.有資格者のほとんどは診療放射線技師であった.また,施設判断での放射線治療の品質管理に関する実施度については,大半の施設が,ある程度の管理を実施しているとの回答であった.これからは,放射線治療の管理業務を確実に実行するための人材育成や業務時間の確保が重要であると言える.
ISSN:1040-9564
1881-9885
DOI:10.11182/jastro.20.29