糖尿病、心・脳血管疾患、慢性腎疾患などを発症させる脂質栄養 ―隠れていた発症因子
「1. はじめに」日本内科学会では, 「近年, 血圧や喫煙率の低下にも関わらず一貫して心疾患死亡率の増加があり, 加えて脳梗塞の死亡率は減少していない」ことを指摘し, リスク因子として肥満や糖尿病とともに脂質異常症や慢性腎臓病などの管理を重視している. 一方, 日本糖尿病学会は糖尿病予防のために動脈硬化をリスク因子としている. すなわち, 因果関係は明確でないものの, 心・脳血管疾患, 糖尿病, 慢性腎疾患などを相互に関連する疾患であるととらえている. 国は「健康日本21」を策定し(平成12年), 生活習慣病予防に取り組んできたが, 10年経過してもこれらの死亡率, 発症率など具体的な評価項目...
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Veröffentlicht in: | 脂質栄養学 2017, Vol.26(1), pp.75-88 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「1. はじめに」日本内科学会では, 「近年, 血圧や喫煙率の低下にも関わらず一貫して心疾患死亡率の増加があり, 加えて脳梗塞の死亡率は減少していない」ことを指摘し, リスク因子として肥満や糖尿病とともに脂質異常症や慢性腎臓病などの管理を重視している. 一方, 日本糖尿病学会は糖尿病予防のために動脈硬化をリスク因子としている. すなわち, 因果関係は明確でないものの, 心・脳血管疾患, 糖尿病, 慢性腎疾患などを相互に関連する疾患であるととらえている. 国は「健康日本21」を策定し(平成12年), 生活習慣病予防に取り組んできたが, 10年経過してもこれらの死亡率, 発症率など具体的な評価項目について, みるべき成果が上がっておらず, むしろ悪化が続いている. 国や主要医学会の生活習慣病予防の内容を脂質栄養の観点から調べてみると, およそ半世紀前に始まった間違った脂質栄養指導がそのまま踏襲されており, 過去数十年の間のこの分野の進歩がほとんど取り入れられていない. |
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ISSN: | 1343-4594 1883-2237 |
DOI: | 10.4010/jln.26.75 |