遠位大動脈弓部全置換術後に体幹上部の可動域低下を認め立ち上がり動作が困難であった一症例
「はじめに」廃用症候群は, 安静臥床や不活動状態が持続することにより生じる二次障害である. 術後などに術部の治癒のために安静が必要であるが, 安静臥床が継続すると, 関節拘縮や筋力低下, 筋萎縮を引き起こしてしまう. このような全身性の筋骨格系の機能低下は, 歩行障害や起居動作の障害をもたらし, 活動性の低下を助長する1). リハビリテーションでは, 基本的に廃用症候群を予防することが原則である. 疾病の急性期においては, リスク管理をおこないながらベッドサイドで, 関節拘縮・筋力低下の予防・褥瘡予防および起立性低血圧の予防を目的に, リハビリテーションを実施する. 全身状態が落ち着いた後に,...
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Veröffentlicht in: | 関西理学療法 2010, Vol.10, pp.103-109 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」廃用症候群は, 安静臥床や不活動状態が持続することにより生じる二次障害である. 術後などに術部の治癒のために安静が必要であるが, 安静臥床が継続すると, 関節拘縮や筋力低下, 筋萎縮を引き起こしてしまう. このような全身性の筋骨格系の機能低下は, 歩行障害や起居動作の障害をもたらし, 活動性の低下を助長する1). リハビリテーションでは, 基本的に廃用症候群を予防することが原則である. 疾病の急性期においては, リスク管理をおこないながらベッドサイドで, 関節拘縮・筋力低下の予防・褥瘡予防および起立性低血圧の予防を目的に, リハビリテーションを実施する. 全身状態が落ち着いた後に, 可及的速やかに離床をはかり, 座位から立位, 歩行へと進めるとともに, 日常生活全体の活動性の向上を促すことが重要である1). 今回, 遠位大動脈弓部全置換術術後に廃用症候群を呈した患者を担当した. |
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ISSN: | 1346-9606 1349-9572 |
DOI: | 10.11354/jkpt.10.103 |