脊髄長大病変を有し抗アクアポリン-4抗体陰性の小児多発性硬化症の1例

「緒言」多発性硬化症(multiple sclerosis: MS)は, 中枢神経系の炎症性脱髄疾患であり, 空間的・時間的多発性を特徴とする. わが国においては, 再発寛解型と診断される症例は, 大脳(特に脳室周囲病変を含む)・小脳・脳幹を含む中枢神経系全般に病変が多発する通常型MS(conventional MS: C-MS)と, 日本人を含むアジア人種において多く見られ, 視神経と脊髄を比較的選択的に侵し脳病変が乏しい視神経脊髄型MS(opticospinal MS: OS-MS)に分類されてきた1). 一方, 欧米においては重症の視神経炎と横断性脊髄炎を特徴とした視神経脊髄炎(neur...

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Veröffentlicht in:東京女子医科大学雑誌 2013-01, Vol.83 (suppl), p.331-335
Hauptverfasser: 鈴木恵子, 富沢尚子, 新井麻子, 上田哲, 梅津亮二, 杉原茂孝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」多発性硬化症(multiple sclerosis: MS)は, 中枢神経系の炎症性脱髄疾患であり, 空間的・時間的多発性を特徴とする. わが国においては, 再発寛解型と診断される症例は, 大脳(特に脳室周囲病変を含む)・小脳・脳幹を含む中枢神経系全般に病変が多発する通常型MS(conventional MS: C-MS)と, 日本人を含むアジア人種において多く見られ, 視神経と脊髄を比較的選択的に侵し脳病変が乏しい視神経脊髄型MS(opticospinal MS: OS-MS)に分類されてきた1). 一方, 欧米においては重症の視神経炎と横断性脊髄炎を特徴とした視神経脊髄炎(neuromyelitis optica: NMO)は, MSとは疾患概念の異なるものとされてきた. 病理学的にはMSがミエリンを標的とした炎症細胞浸潤を伴う脱髄病変であるのに対し, NMOは高度の脱髄とともに組織壊死や空洞化など組織破壊性病変をしばしばみとめる.
ISSN:0040-9022