I-2. 劇症型心筋炎として初期治療され, 改善後の経過中にカテコラミン心筋症を発症し褐色細胞腫と判明した1例

症例は67歳男性. 2008年12月より感冒症状あり近医受診し内服加療を受けた. その後も微熱, 感冒症状, 食思不振が持続したため救急外来受診. 血圧100/70mmHg, 心電図でV1-3のST上昇を認め, 心エコー図ではび漫性に心収縮力が低下していた. 緊急冠動脈造影では狭窄を認めず, 臨床経過から急性心筋炎による心不全と診断し大動脈内バルーンパンピング(intra aortic balloon pumping:IABP), カテコラミンにて治療開始した. その後比較的早期に循環動態は安定し離脱でき軽快退院した. 半年後, 心窩部不快感精査目的に入院したが, 入院中にタコツボ型心筋症を発...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:東京女子医科大学雑誌 2010, Vol.80 (8), p.253-254
Hauptverfasser: 渡邊有希, 青井俊輔, 磯村大地, 小濱康明, 佐藤琢真, 平田哲夫, 二川圭介, 岡田尚之, 杉浦亮, 岡俊明
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は67歳男性. 2008年12月より感冒症状あり近医受診し内服加療を受けた. その後も微熱, 感冒症状, 食思不振が持続したため救急外来受診. 血圧100/70mmHg, 心電図でV1-3のST上昇を認め, 心エコー図ではび漫性に心収縮力が低下していた. 緊急冠動脈造影では狭窄を認めず, 臨床経過から急性心筋炎による心不全と診断し大動脈内バルーンパンピング(intra aortic balloon pumping:IABP), カテコラミンにて治療開始した. その後比較的早期に循環動態は安定し離脱でき軽快退院した. 半年後, 心窩部不快感精査目的に入院したが, 入院中にタコツボ型心筋症を発症, 同時期に施行した腹部エコーで左副腎腫瘍を指摘され, 精査の結果褐色細胞腫と診断した. 繰り返す心筋炎の原因として褐色細胞腫によるカテコラミン心筋症の関与が考えられた. 異なる発症様式の心筋障害を呈した褐色細胞腫の1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0040-9022