DNA型検査による個人識別

「1. はじめに」 巧妙化する犯罪に対応し, かつ客観証拠に基づく立証を図るために, 科学技術の積極的な活用が望まれている. 現在採用されているDNA型検査技術手法は2000年代に全国で運用が開始されたものであり, 一般的な犯罪捜査の手法の1つとして広く浸透している. 警察の犯罪捜査においてDNA型検査は殺人事件や強盗事件などの凶悪事件から窃盗事件や条例違反まで軽重問わず様々な場面で活用され, 欠かすことのできない科学技術手法の1つである. 2007年から2016年まで警察において実施されたDNA型鑑定の資料数をFig. 1に示す. DNA型検査の実施資料数は2007年(76938件)から20...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2019/05/01, Vol.139(5), pp.725-730
1. Verfasser: 北村, 雅史
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」 巧妙化する犯罪に対応し, かつ客観証拠に基づく立証を図るために, 科学技術の積極的な活用が望まれている. 現在採用されているDNA型検査技術手法は2000年代に全国で運用が開始されたものであり, 一般的な犯罪捜査の手法の1つとして広く浸透している. 警察の犯罪捜査においてDNA型検査は殺人事件や強盗事件などの凶悪事件から窃盗事件や条例違反まで軽重問わず様々な場面で活用され, 欠かすことのできない科学技術手法の1つである. 2007年から2016年まで警察において実施されたDNA型鑑定の資料数をFig. 1に示す. DNA型検査の実施資料数は2007年(76938件)から2012年(266867件)まで急激に増加しているが, ここ数年における実施資料数は30万件前後で横ばい傾向である. DNA型検査を行う人材の確保を積極的に行ったことや犯罪捜査への活用方法が十分に浸透したことにより, 実施件数がプラトーに達したと考えられる.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.18-00166-6