薬物の乳汁移行性を検討するためのHPLCを用いた一手法―泌乳マウスを用いた一般用医薬品(ロキソニン(R)-S錠, バファリン(R)A錠)の検討

「緒言」近年, 母親による授乳は乳児保育における最良の方法であることが再認識され, 母乳保育が世界的に推奨されている. 1)また, 一般に授乳期間は妊娠期間よりも長く, 母親が医薬品を服用する機会は多いと考えられる. しかし, 倫理上の問題から, 薬物の乳汁移行に関する臨床データは少ない. 医薬品の添付文書やインタビューフォームには, 承認時の毒性評価に関連する非臨床試験として, ラットの母乳中に放射性物質を標識した薬物が検出されるか否か試験し, 検出された場合, その量にかかわらず, 「授乳中の婦人への投与又は授乳の中止」と記載されることが多いのが現状である. 2)そのため授乳婦は, 薬物治...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2013-08, Vol.133 (8), p.905-911
Hauptverfasser: 小森浩二, 古前竜平, 山崎裕己, 中野祥子, 三田村しのぶ, 宮崎珠美, 菊田真穂, 高田雅弘, 首藤誠, 塙由美子, 山本淑子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」近年, 母親による授乳は乳児保育における最良の方法であることが再認識され, 母乳保育が世界的に推奨されている. 1)また, 一般に授乳期間は妊娠期間よりも長く, 母親が医薬品を服用する機会は多いと考えられる. しかし, 倫理上の問題から, 薬物の乳汁移行に関する臨床データは少ない. 医薬品の添付文書やインタビューフォームには, 承認時の毒性評価に関連する非臨床試験として, ラットの母乳中に放射性物質を標識した薬物が検出されるか否か試験し, 検出された場合, その量にかかわらず, 「授乳中の婦人への投与又は授乳の中止」と記載されることが多いのが現状である. 2)そのため授乳婦は, 薬物治療か母乳育児かの選択を迫られる. また, 高儀ら3)が, 妊婦・授乳婦の服薬への意識を調査した結果, 授乳婦が持つ薬に対する負のイメージは, 授乳中の不安を高め, 服薬の判断やアドヒアランスに影響すること, 医療従事者も適切な情報を求めていることを報告している.
ISSN:0031-6903