薬局薬剤師における薬学的疑義照会の医療経済学的研究

「緒言」処方せんの内容に関する医師への疑義照会の目的は, 不適切な薬物療法による副作用発現や治療効果減弱などの不利益が患者に生じることを未然に防止することである. その結果, 治療費節減や治療期間短縮などにつながると考えられるが, わが国では疑義照会に関する医療経済学的な報告は少ない. 病院においては, 疑義照会によって注射剤の混合調製後の残余が少なくなるように適切な規格に変更した場合の薬剤費節減効果1)や, 副作用発現回避による医療費節減額を試算した研究1,2)が報告されている. 一方, 保険薬局では疑義照会によって処方が削除された場合の薬剤費節減効果については検討3)されているが, 副作用...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2012/06/01, Vol.132(6), pp.753-761
Hauptverfasser: 鹿村, 恵明, 大山, 明子, 高橋, 淳一, 赤木, 祐貴, 根岸, 健一, 伊集院, 一成, 上村, 直樹, 青山, 隆夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」処方せんの内容に関する医師への疑義照会の目的は, 不適切な薬物療法による副作用発現や治療効果減弱などの不利益が患者に生じることを未然に防止することである. その結果, 治療費節減や治療期間短縮などにつながると考えられるが, わが国では疑義照会に関する医療経済学的な報告は少ない. 病院においては, 疑義照会によって注射剤の混合調製後の残余が少なくなるように適切な規格に変更した場合の薬剤費節減効果1)や, 副作用発現回避による医療費節減額を試算した研究1,2)が報告されている. 一方, 保険薬局では疑義照会によって処方が削除された場合の薬剤費節減効果については検討3)されているが, 副作用回避による医療費節減に言及したものは見当たらない. 疑義照会は大きくわけ, 形式的疑義照会と薬学的疑義照会に分類される. 4)形式的疑義照会は基本的に処方せんの記載不備によるものであり, 薬学的疑義照会は, 薬学的な判断を必要とするため, 薬剤師の本来の職能を発揮するものと言える.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.132.753