院内製剤ウリナスタチン膣坐剤の物理薬剤学的特性
「緒言」 ウリナスタチン(urinary trypsin inhibitor; UTI)は, ヒト尿中から抽出, 精製された糖タンパク質であり, 白血球エラスターゼやトリプシンなど種々の酵素に阻害作用を持ち, 急性膵炎, 慢性再発性膵炎の急性憎悪期, 急性循環不全の適応で臨床使用されている.1) 産科領域におけるUTIの局所投与は, エラスターゼやサイトカイン活性の阻害により頸管炎や絨毛膜羊膜炎に対し抗炎症作用を示すことから, UTI膣坐剤が切迫早産の治療に使用されている.2,3) このUTI膣坐剤には市販品がないことから, 院内製剤として溶融法により調製されており, 主薬原料として注射用凍結...
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Veröffentlicht in: | YAKUGAKU ZASSHI 2011/11/01, Vol.131(11), pp.1639-1644 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」 ウリナスタチン(urinary trypsin inhibitor; UTI)は, ヒト尿中から抽出, 精製された糖タンパク質であり, 白血球エラスターゼやトリプシンなど種々の酵素に阻害作用を持ち, 急性膵炎, 慢性再発性膵炎の急性憎悪期, 急性循環不全の適応で臨床使用されている.1) 産科領域におけるUTIの局所投与は, エラスターゼやサイトカイン活性の阻害により頸管炎や絨毛膜羊膜炎に対し抗炎症作用を示すことから, UTI膣坐剤が切迫早産の治療に使用されている.2,3) このUTI膣坐剤には市販品がないことから, 院内製剤として溶融法により調製されており, 主薬原料として注射用凍結乾燥製剤(凍結乾燥製剤), 又は水性注射液製剤(水性注射剤)が用いられている.4,5) 凍結乾燥製剤を用いる製法は, あらかじめ乳鉢で微粉化した薬剤を加温した坐剤基剤に加え混和後成形するが, 本方法は調製過程において微粉砕した薬剤が吸湿して凝塊(二次粒子)を形成し易く, 基剤中での均一な分散は困難との指摘があり, 水性注射剤を用いる製法が提案されている. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.131.1639 |