ナノハイドロゲルを利用したペプチドの特殊放出制御型マイクロカプセルの設計

1.はじめに ナノメートルスケールのディメンジョンを有する"ナノ粒子"が各種産業分野における新しいデバイスやシステムの礎となる先端材料として注目を集めている.医薬品分野とナノ粒子の係わりには長い歴史があり,既に1970年代の論文1,2)には"Nanoparticles"という用語が登場しているが,昨今のナノテクノロジーの隆盛を契機としてその応用研究は急激な進展をみせている.医薬品分野におけるナノ粒子の利用には2つの方向性が考えられる.1つは,それ自体を薬物運搬体として利用しようとするもので,高分子ミセル,リボソーム,ソリッドリピッドナノスフェア,高分子ナ...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2007/05/01, Vol.127(5), pp.813-823
Hauptverfasser: 市川, 秀喜, 福森, 義信
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1.はじめに ナノメートルスケールのディメンジョンを有する"ナノ粒子"が各種産業分野における新しいデバイスやシステムの礎となる先端材料として注目を集めている.医薬品分野とナノ粒子の係わりには長い歴史があり,既に1970年代の論文1,2)には"Nanoparticles"という用語が登場しているが,昨今のナノテクノロジーの隆盛を契機としてその応用研究は急激な進展をみせている.医薬品分野におけるナノ粒子の利用には2つの方向性が考えられる.1つは,それ自体を薬物運搬体として利用しようとするもので,高分子ミセル,リボソーム,ソリッドリピッドナノスフェア,高分子ナノスフェアなど多様な材料と構造からなるナノ粒子へ薬物を負荷し,運搬体のサイズや物性に応じて薬物の安定性や吸収性の向上や体内動態の制御などを図ることを主な狙いとしている.最近ではこうしたナノサイズの薬物運搬体を利用する医薬品は,ナノメディスンと称されるようになっている.もう1つの流れは,従来の医薬品製剤の機能化のための構成要素としての利用である.近年,種々の産業分野でナノ粒子のアッセンブリングによる高機能性材料や製品の開発が盛んに試みられている.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.127.813