D-ガラクトサミン投与後のラット肝臓におけるMitogen activated protein kinase(MAPK)活性化

増殖, 分化, 細胞死などの基本的な細胞活動にMitogen activated protein kinase(MAPK)カスケードが重要な役割を果たすことが明らかにされている. これらの研究はほとんどが培養細胞を用いる研究であり, 動物実験でその動態を研究したものは数少ない. さらに酸化ストレスによってMAPKの活性化が起こるとされているが, 実際に酸化ストレスとMAPK活性化の関係を動物組織で検討した例はない. 本研究は酸化ストレスとMAPK, 特にJNK, ERK, p38の活性化の時間経過を肝臓で検討した最初の論文である. 酸化ストレスによって広汎にアポトーシスや壊死を起こすことが我々...

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Veröffentlicht in:ビタミン 2006/09/25, Vol.80(9), pp.465-466
Hauptverfasser: 西岡, 瞳, 岸岡, 輝実, 飯田, ちなつ, 藤井, こずえ, 市, 育代, 小城, 勝相
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:増殖, 分化, 細胞死などの基本的な細胞活動にMitogen activated protein kinase(MAPK)カスケードが重要な役割を果たすことが明らかにされている. これらの研究はほとんどが培養細胞を用いる研究であり, 動物実験でその動態を研究したものは数少ない. さらに酸化ストレスによってMAPKの活性化が起こるとされているが, 実際に酸化ストレスとMAPK活性化の関係を動物組織で検討した例はない. 本研究は酸化ストレスとMAPK, 特にJNK, ERK, p38の活性化の時間経過を肝臓で検討した最初の論文である. 酸化ストレスによって広汎にアポトーシスや壊死を起こすことが我々の研究1)で判明しているD-ガラクトサミン(D-Galn)を用いた. D-Galn(1g/kg体重)を腹腔内投与すると, 6時間後から血漿AST, ALT活性が有意に上昇し, 肝臓で壊死が起こることがわかった. 血漿AST, ALT活性は12時間後にはさらに上昇し, 24時間後には最高値に達した, 肝臓における酸化ストレス指標として最も鋭敏であるビタミンCl)2)の濃度変化を調べると, D-Galn投与後1. 5時間では対照群との差はないが, 3時間後には有意に低下した. この結果は3時間後に肝臓での酸化ストレスが亢進していることを示している
ISSN:0006-386X
2424-080X
DOI:10.20632/vso.80.9_465