NAD^+と固定化3β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素を用いる高速液体クロマトグラフィーによる3β-ヒドロキシ胆汁酸とそのグルクロニドの新測定法

「緒言」脂溶性ビタミン等の脂質の腸管吸収においてdetergentとしての役割を果す胆汁酸は, コレステロールの最終体として肝で合成され胆汁中に排泄され, また70~90%は再吸収されるという腸管循環をくりかえしている. 肝機能あるいは胆管系に障害が起こると胆汁酸は血液中にも出現し, 尿からも排泄されたり, 通常あまりみられない異常胆汁酸となって処理されることが最近, 明らかになりつつある. また生体内での胆汁酸はほとんどC24位のカルボキシル基にグリシン, タウリンの抱合型として存在するが, 異常胆汁酸が大量に血中に放出される場合にはC3位のOH基にエステル結合する硫酸抱合, あるいはグルク...

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Veröffentlicht in:ビタミン 1986/04/25, Vol.60(4), pp.157-164
Hauptverfasser: 奥村, 一忠, 奥山, 澄彦, 高木, 健次, 森川, 訓行, 杉山, 恵一, 熊田, 卓, 新実, 紀二
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」脂溶性ビタミン等の脂質の腸管吸収においてdetergentとしての役割を果す胆汁酸は, コレステロールの最終体として肝で合成され胆汁中に排泄され, また70~90%は再吸収されるという腸管循環をくりかえしている. 肝機能あるいは胆管系に障害が起こると胆汁酸は血液中にも出現し, 尿からも排泄されたり, 通常あまりみられない異常胆汁酸となって処理されることが最近, 明らかになりつつある. また生体内での胆汁酸はほとんどC24位のカルボキシル基にグリシン, タウリンの抱合型として存在するが, 異常胆汁酸が大量に血中に放出される場合にはC3位のOH基にエステル結合する硫酸抱合, あるいはグルクロニド抱合の型になった二重抱合になることがPalmer, Backなどにより発見されている. そこで著者らは, 先に開発したNADHの生成量より胆汁酸を分画定量する固定化3α-HSD・HPLC法を応用して, 3β-OH-Δ5, そのグリシン(G), タウリン抱合型(T)およびそれらのグルクロニド測定法を新しく開発した.
ISSN:0006-386X
2424-080X
DOI:10.20632/vso.60.4_157