栄養成分表示値の信頼性確保: 栄養成分に係る試験機関の技能試験方法の構築に関する予備的検討

【目的】現在健康増進法に基づき食品の栄養成分表示がなされているが,その数値については製造者・販売者の自己認証である。そのため,表示値が適切であることを確認するための収去試験が行われている。そこで本研究では,複数の試験機関で表示値の確認試験が実施されることを想定し,いずれの試験機関でも同等の分析値が得られるように技能試験により分析値の信頼性を確保する方法を構築することを目的とした。 【方法】栄養成分を均質に含む食品試料を調製し,健康増進法で定められた登録試験機関に配付し,技能試験を予備的に実施した。熱量,たんぱく質,脂質,炭水化物及びナトリウム(一般表示事項)の含量を分析し,結果を集計・解析した...

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Veröffentlicht in:栄養学雑誌 2015, Vol.73(1), pp.8-15
Hauptverfasser: 竹林, 純, 松本, 輝樹, 石見, 佳子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】現在健康増進法に基づき食品の栄養成分表示がなされているが,その数値については製造者・販売者の自己認証である。そのため,表示値が適切であることを確認するための収去試験が行われている。そこで本研究では,複数の試験機関で表示値の確認試験が実施されることを想定し,いずれの試験機関でも同等の分析値が得られるように技能試験により分析値の信頼性を確保する方法を構築することを目的とした。 【方法】栄養成分を均質に含む食品試料を調製し,健康増進法で定められた登録試験機関に配付し,技能試験を予備的に実施した。熱量,たんぱく質,脂質,炭水化物及びナトリウム(一般表示事項)の含量を分析し,結果を集計・解析した。 【結果】栄養成分の分析に実績のある登録試験機関における上記5成分の分析値は,Ⅰ)Grubbs検定による統計上の外れ値はなく,Ⅱ)平均値からのかたよりが経験的に許容できる範囲内(-3<z-スコア<3)であり,Ⅲ)栄養表示基準における誤差の許容範囲である平均値から±20%の範囲内にあった。これにより,いずれの機関でも適正な分析値が得られていると判断された。 【結論】上記Ⅰ~Ⅲ)を判定基準とした技能試験により,栄養試験に係る試験機関の分析値の信頼性を確保できることが示唆された。
ISSN:0021-5147
1883-7921
DOI:10.5264/eiyogakuzashi.73.8