JDCSからみた日本人2型糖尿病患者の特徴

1. はじめに 2型糖尿病患者は世界的に増加しており, 全世界死亡の5.2%にあたる290万人分の死亡増加をもたらす深刻な問題になっている1). 国連においても感染症以外の単独疾患としては初めて, 糖尿病をターゲットとして世界を挙げて取り組む決議をし, ‘unite for diabetes'とい うスローガンのもとで国際キャンペーンを展開している2). わが国においても糖尿病患者数(95%以上は2型糖尿病)は, 人口の高齢化と生活習慣の欧米化を背景に, 戦後すさまじい勢いで増加してきた. 2006年国民健康・栄養調査によると, 糖尿病患者は, その疑いが強い者を含めると40歳以上の...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:栄養学雑誌 2007-12, Vol.65 (6), p.269-279
Hauptverfasser: 曽根博仁, 吉村幸雄, 田中明, 山田信博, JDCSグループ
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:1. はじめに 2型糖尿病患者は世界的に増加しており, 全世界死亡の5.2%にあたる290万人分の死亡増加をもたらす深刻な問題になっている1). 国連においても感染症以外の単独疾患としては初めて, 糖尿病をターゲットとして世界を挙げて取り組む決議をし, ‘unite for diabetes'とい うスローガンのもとで国際キャンペーンを展開している2). わが国においても糖尿病患者数(95%以上は2型糖尿病)は, 人口の高齢化と生活習慣の欧米化を背景に, 戦後すさまじい勢いで増加してきた. 2006年国民健康・栄養調査によると, 糖尿病患者は, その疑いが強い者を含めると40歳以上の国民の3人に1人に達すると見積もられている. 患者総数でみても, 日本は世界第5位の糖尿病大国であり3), 糖尿病により年間約3千人が視力を失い, 1万人以上が人工透析を開始されるなど, 国民の健康, 生命および医療費に甚大な損害を与えている.
ISSN:0021-5147