切除可能膵癌に対する術前化学放射線療法―Resectability statusにおけるCA19-9正常化の意義について

解剖学的には“切除可能(resectability:R)”であるがCA19-9高値を伴う症例の予後は不良であるため,生物学的切除可能境界(biological borderline resectable:biological BR)と定義することが提唱されている.当センターにて術前化学放射線療法(CRT)を施行したR症例とBR症例において,biological BR症例はR症例よりも有意に予後不良であり,解剖学的BR症例と同等であった.biological BR症例の中で,術前治療後にCA19-9が正常化(37U/ml>)した症例の治療成績はCA19-9非正常化症例よりも有意に良好であり,R症...

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Veröffentlicht in:膵臓 2021/02/28, Vol.36(1), pp.64-72
Hauptverfasser: 高橋, 秀典, 飛鳥井, 慶, 和田, 浩志, 長谷川, 慎一郎, 向井, 洋介, 左近, 賢人, 石川, 治
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:解剖学的には“切除可能(resectability:R)”であるがCA19-9高値を伴う症例の予後は不良であるため,生物学的切除可能境界(biological borderline resectable:biological BR)と定義することが提唱されている.当センターにて術前化学放射線療法(CRT)を施行したR症例とBR症例において,biological BR症例はR症例よりも有意に予後不良であり,解剖学的BR症例と同等であった.biological BR症例の中で,術前治療後にCA19-9が正常化(37U/ml>)した症例の治療成績はCA19-9非正常化症例よりも有意に良好であり,R症例と同等であった.従って,biological BR症例に対する術前治療戦略において,術前治療後のCA19-9正常化はbiological BR因子についてのdownstaging(biological downstaging)の指標として有用である.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.36.64