CCL7およびCCL25はRANKLによって誘導される破骨細胞形成を促進する

破骨細胞による骨吸収は, その過程において, 造血系細胞である破骨細胞前駆細胞の遊走とRANKL (Receptor activator of NF-kB ligand)による成熟した破骨細胞への分化が必要である。一方, 生理活性物質であるケモカインは造血系細胞に対して走化性を有している。本研究において我々は, RANKL刺激による破骨細胞分化におけるCCL7 (CC chemokine ligand 7; MCP-3 : monocyte chemotactic protein -3) およびCCL25 (CC chemokine ligand 25; TECK : thymus-expre...

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Veröffentlicht in:日本歯周病学会会誌 2009, Vol.51(1), pp.51-61
Hauptverfasser: 林, 幸恵, 岡松, 良昌, 臼井, 通彦, 山本, 松男
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:破骨細胞による骨吸収は, その過程において, 造血系細胞である破骨細胞前駆細胞の遊走とRANKL (Receptor activator of NF-kB ligand)による成熟した破骨細胞への分化が必要である。一方, 生理活性物質であるケモカインは造血系細胞に対して走化性を有している。本研究において我々は, RANKL刺激による破骨細胞分化におけるCCL7 (CC chemokine ligand 7; MCP-3 : monocyte chemotactic protein -3) およびCCL25 (CC chemokine ligand 25; TECK : thymus-expressed chemokine) の作用を解析した。CCL7およびCCL25は, IL-1β, ビタミンD3刺激によりマウス骨髄間質由来細胞であるST2細胞において産生が確認された。一方, CCL7の受容体CCR2 (CC chemokine receptor 2), 並びに, CCL25の受容体CCR9 (CC chemokine receptor 9)は, マウスマクロファージ系細胞株RAW264.7細胞において発現が確認された。そこで, RANKL存在下においてCCL7, CCL25リコンビナント蛋白とともにRAW264.7細胞を培養したところ, 破骨細胞形成が有意に増強された。次に, RANKL存在下において抗CCL7抗体, 抗CCL25抗体とともにRAW264.7細胞を培養したところ, 破骨細胞形成が有意に抑制された。さらに, マウスから分離した骨髄細胞を用いた破骨細胞形成系実験においても同様の結果が得られた。これらの結果より, 細胞遊走を惹起すると知られているCCL7およびCCL25は, RANKLによって誘導される破骨細胞分化, 形成においても重要な役割を担うことが示唆された。 日本歯周病学会会誌(日歯周誌)51(1) : 51-61, 2009
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.51.051