A-23.正中上唇裂の3例

顎顔面領域に生じる裂奇形のうち, 正中上唇裂の発生頻度は約0.5%と稀な疾患である. 今回われわれは, 偽性正中上唇裂の3例を経験したのでその概要を報告した. (症例1)1994年4月5日, 正常分娩にて出生. 口唇裂を指摘され紹介にて来院. 現症:常染色体7番の異常を認めた. また特異的な顔貌を呈し, 正中上唇裂, 口蓋裂を認めた. (症例2)1999年1月11日, 正常分娩にて出生. 口唇裂を指摘され紹介にて来院. 現症:頭部MRIにて小脳低形成を認めた. また正中上唇裂, 口蓋裂が見られた. (症例3)2001年8月17日, 帝王切開にて出生. 口唇裂を指摘され紹介にて来院. 既往歴:甲...

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Veröffentlicht in:日本口腔科学会雑誌 2003, Vol.52 (2), p.98-98
Hauptverfasser: 前多雅仁, 井野口格, 森一高, 伊藤あづさ, 阿部厚, 磯部直子, 磯部誠, 水野進, 栗田賢一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:顎顔面領域に生じる裂奇形のうち, 正中上唇裂の発生頻度は約0.5%と稀な疾患である. 今回われわれは, 偽性正中上唇裂の3例を経験したのでその概要を報告した. (症例1)1994年4月5日, 正常分娩にて出生. 口唇裂を指摘され紹介にて来院. 現症:常染色体7番の異常を認めた. また特異的な顔貌を呈し, 正中上唇裂, 口蓋裂を認めた. (症例2)1999年1月11日, 正常分娩にて出生. 口唇裂を指摘され紹介にて来院. 現症:頭部MRIにて小脳低形成を認めた. また正中上唇裂, 口蓋裂が見られた. (症例3)2001年8月17日, 帝王切開にて出生. 口唇裂を指摘され紹介にて来院. 既往歴:甲状腺機能低下症, 本態性高Na血症. 現症:常染色体7番の異常を認めたが, 頭部MRIは正常. 正中上唇裂, 口蓋裂を認めた. 本疾患は多彩な臨床症状を認めることから, 関係各科との連携の重要性が示唆された. 質問 岐阜大医口外 柴田敏之 正中上唇裂の診断, および治療についてですが, 通常の唇裂とは異なるのでしょうか. 回答 愛知学院大歯1口外 栗田賢一 (1)通常の口唇裂とのちがい 鼻柱の有無と正中部の組織欠損を基準に診断している. (2)治療上の注意 初回手術後, 組織欠損が大きいことに由来する鼻翼の変形が認められるため, 経過観察を行って2次手術で修正を行うこととしている. 質問 福井医大歯口外 北川善政 1. 7番常染色体異常について欧米の報告はありますか. 2. 症例2. 口蓋裂を伴う症例で切歯骨はどの様な形態をしていたのでしょうか. 回答 愛知学院大歯1口外 栗田賢一 1. 海外の報告例で全前脳症との関連を指摘するものが散見されるが, 今後の報告が待たれる. 2. 中間顎の欠損および正中裂をみとめ, 通常の口蓋裂よりも裂隙が広い症例であった.
ISSN:0029-0297