肺合併症を伴った頬骨上顎骨骨折に対しハローベストによる顎外牽引を行った1例
頬骨は顔面中央部の輪郭を形成し, 眼窩および上顎洞を構成する菱形の骨で, 上顎骨, 前頭骨, 側頭骨の頬骨突起と接合し, しばしば上顎骨をはじめとした顔面骨と多発骨折をきたす. 骨折の好発部位は上記の縫合部で, 骨折片の転位は内方への一次性転位のほかに, 頬骨後方部の咬筋の牽引力による下方へ向かう二次性転位が加わると考えられている. このため, Knight and North分類1)IV型, V型のような回転型頬骨骨折の整復は, 全身麻酔下で縫合部を直視下に整復固定することが原則とされている2, 3). 一方, 顔面骨骨折患者に頭部, 胸腹部などの重要臓器に合併損傷を伴うことは, 日常臨床に...
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Veröffentlicht in: | 日本口腔科学会雑誌 2003-01, Vol.52 (1), p.26-30 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 頬骨は顔面中央部の輪郭を形成し, 眼窩および上顎洞を構成する菱形の骨で, 上顎骨, 前頭骨, 側頭骨の頬骨突起と接合し, しばしば上顎骨をはじめとした顔面骨と多発骨折をきたす. 骨折の好発部位は上記の縫合部で, 骨折片の転位は内方への一次性転位のほかに, 頬骨後方部の咬筋の牽引力による下方へ向かう二次性転位が加わると考えられている. このため, Knight and North分類1)IV型, V型のような回転型頬骨骨折の整復は, 全身麻酔下で縫合部を直視下に整復固定することが原則とされている2, 3). 一方, 顔面骨骨折患者に頭部, 胸腹部などの重要臓器に合併損傷を伴うことは, 日常臨床においてもよく経験することであり, 合併損傷の治療を優先させることはめずらしくない. さらに, 合併損傷により全身麻酔が不可能となり, 骨折に対して保存的治療を余儀なくされることもある. |
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ISSN: | 0029-0297 |
DOI: | 10.11277/stomatology1952.52.26 |