頚動脈狭窄症治療 (CEA/CAS) は長期生存に有効か?

「はじめに」 近年のガイドラインによれば, 頚動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy : CEA)および頚動脈ステント留置術(carotid artery stenting : CAS)は余命が3-5年以上の患者に限るべきであるとされている. また, 最近のランダム化臨床試験においては, CEA/CASの5年生存率は80%前後である. 一方, 米国のMedicareの22,516人のデータではCAS後の4年生存率は68%と報告されており, ランダム化臨床試験と実臨床の生存率の間にかなり大きな差が認められる. そこで, 近年著しく高齢化の進んだ日本の実臨床の場においてCEA...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 2020-07, Vol.48 (4), p.275-280
Hauptverfasser: 細田弘吉, 藤田敦史, 甲田将章, 田中潤, 松尾和哉, 中居友昭, 石井大嗣, 木村英仁, 甲村英二
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 近年のガイドラインによれば, 頚動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy : CEA)および頚動脈ステント留置術(carotid artery stenting : CAS)は余命が3-5年以上の患者に限るべきであるとされている. また, 最近のランダム化臨床試験においては, CEA/CASの5年生存率は80%前後である. 一方, 米国のMedicareの22,516人のデータではCAS後の4年生存率は68%と報告されており, ランダム化臨床試験と実臨床の生存率の間にかなり大きな差が認められる. そこで, 近年著しく高齢化の進んだ日本の実臨床の場においてCEA/CASが生命予後の点でどこまで意味のある治療となっているかを確認するため, 当施設において施行されたCEA/CAS後の患者の生存分析を行い, 過去の研究や日本人の平均余命と比較した. 「対象と方法」 対象は, 2006年8月から2016年10月までの10年間に当施設で施行したすべてのCEA/CAS症例(CEA 178, CAS 119 : 総計297例)とした.
ISSN:0914-5508