直達術で治療した前大脳動脈近位部 (A1) 動脈瘤の4症例
「はじめに」前大脳動脈近位部(A1)に発生する脳動脈瘤(以下, A1動脈瘤)は, 脳動脈瘤全体の1-2%と報告され, 比較的まれである. その多くは, A1から出る穿通枝分岐部の比較的小さな嚢状動脈瘤(saccular aneurysm)である. しかし, 紡錘状動脈瘤(fusiform aneurysm)である場合や, 同部位に限局した解離性脳動脈瘤である場合も少なくなく, unclippableな症例に対する標準的治療は確立していない. 2009年4月より2015年4月までに筆頭著者が術者もしくは指導医として経験した脳動脈瘤は186例で, うちA1動脈瘤は4例存在した. これらの4症例につ...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 脳卒中の外科 2017-03, Vol.45 (2), p.95-100 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「はじめに」前大脳動脈近位部(A1)に発生する脳動脈瘤(以下, A1動脈瘤)は, 脳動脈瘤全体の1-2%と報告され, 比較的まれである. その多くは, A1から出る穿通枝分岐部の比較的小さな嚢状動脈瘤(saccular aneurysm)である. しかし, 紡錘状動脈瘤(fusiform aneurysm)である場合や, 同部位に限局した解離性脳動脈瘤である場合も少なくなく, unclippableな症例に対する標準的治療は確立していない. 2009年4月より2015年4月までに筆頭著者が術者もしくは指導医として経験した脳動脈瘤は186例で, うちA1動脈瘤は4例存在した. これらの4症例について後方視的に検討を行い, 本動脈瘤の外科治療について考察を加えて報告する. 「症例」〈症例1〉56歳, 女性. 「家族歴」: 母が多発性嚢胞腎でくも膜下出血を発症. 「既往歴」: 多発性嚢胞腎. 「現病歴と治療経過」: 多発性嚢胞腎症例で, スクリーニング脳MRAにて左A1動脈瘤を偶然発見された. |
---|---|
ISSN: | 0914-5508 |