被殻出血に対する神経内視鏡の有効性

「はじめに」脳動脈瘤や脳動静脈奇形などを除く特発性脳内出血(高血圧性脳内出血)に対する外科的治療は, 手術適応, 手術時期あるいは手術方法など, いずれも明確なエビデンスに乏しく, 被殻などに主座を置く深部脳内出血に対する血腫除去術のエビデンスが確立されているとは言えない. わが国の被殻出血に対する治療では, Kanayaら9)の研究に基づき外科的治療が行われてきた歴史があり, その中でHattoriらの報告7)は, 被殻出血に対する低侵襲手術の有効性を証明した数少ないエビデンスの1つである. 従来, 被殻出血に対する外科的治療9)16)には, 頭蓋内圧コントロールを主目的とした脳室ドレナージ...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 2013, Vol.41(3), pp.183-186
Hauptverfasser: 山本, 拓史, 中尾, 保秋, 徳川, 城治, 渡辺, 瑞也, 秋山, 理
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:「はじめに」脳動脈瘤や脳動静脈奇形などを除く特発性脳内出血(高血圧性脳内出血)に対する外科的治療は, 手術適応, 手術時期あるいは手術方法など, いずれも明確なエビデンスに乏しく, 被殻などに主座を置く深部脳内出血に対する血腫除去術のエビデンスが確立されているとは言えない. わが国の被殻出血に対する治療では, Kanayaら9)の研究に基づき外科的治療が行われてきた歴史があり, その中でHattoriらの報告7)は, 被殻出血に対する低侵襲手術の有効性を証明した数少ないエビデンスの1つである. 従来, 被殻出血に対する外科的治療9)16)には, 頭蓋内圧コントロールを主目的とした脳室ドレナージ術や開頭血腫除去術, mass effect軽減を目的とした定位血腫吸引術などが知られている. 近年, 神経内視鏡と周辺機材の発展により内視鏡下血腫除去術が普及し, 内視鏡手術の安全性, 有効性を示す報告は数多くあるが1)3)4)11)15)20), American Heart Association/American Stroke Association (AHA/ASA)の脳内出血に対する治療ガイドライン14)では, "the effectiveness of minimally invasive ICH evacuation utilizing the endoscopic methods was still uncertain. "と記され, そのエビデンスはけっして高くない.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.41.183