内頚動脈の未破裂脳動脈瘤コイル塞栓術後に,造影剤による神経毒性脳症を呈した1例

「はじめに」脳血管内治療に際して, 非イオン性造影剤の神経毒性に起因すると思われる合併症がまれながら起こりうる3)5)7)10)11)13). 一過性皮質盲の報告が多い7)10)11)13)が, 意識障害5)・麻痺3)5)10)・痙攣10)などを呈した症例もある. 同一血管に繰り返し造影剤が注入されることによる血液脳関門(blood brain barrier: BBB)の破綻が影響していると考えられているが, 明らかな機序は不明である. 今回, 内頚動脈の未破裂脳動脈瘤に対するバルーン支援下コイル塞栓術後に, 造影剤が原因と思われる神経毒性脳症により意識障害・失語症・片麻痺・痙攣を呈した症例...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 2013, Vol.41(2), pp.116-122
Hauptverfasser: 久保田, 司, 山崎, 貴明, 前田, 理名, 香城, 孝麿, 中西, 尚史, 妹尾, 誠, 嶋崎, 光哲, 佐々木, 雄彦, 西谷, 幹雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」脳血管内治療に際して, 非イオン性造影剤の神経毒性に起因すると思われる合併症がまれながら起こりうる3)5)7)10)11)13). 一過性皮質盲の報告が多い7)10)11)13)が, 意識障害5)・麻痺3)5)10)・痙攣10)などを呈した症例もある. 同一血管に繰り返し造影剤が注入されることによる血液脳関門(blood brain barrier: BBB)の破綻が影響していると考えられているが, 明らかな機序は不明である. 今回, 内頚動脈の未破裂脳動脈瘤に対するバルーン支援下コイル塞栓術後に, 造影剤が原因と思われる神経毒性脳症により意識障害・失語症・片麻痺・痙攣を呈した症例を経験した. 症状は短期間に改善消失し, MRI上器質的病変は出現しなかったが, arterial spin labeling (ASL)法を用いたMRI灌流強調画像(PWI-MRI)で認められた異常所見が1年間も持続していたことが経時的追跡により判明した.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.41.116