80歳以上の超高齢者のくも膜下出血の予後: 当院25症例から

「はじめに」脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血の予後は, 破裂脳動脈瘤の処理だけではなく, 破裂時の脳損傷や, 続発して起こる遅発性脳血管攣縮や水頭症など局所および全身合併症の管理によって大きく変わるものである. 現在までにくも膜下出血の予後は手術手技を含めた周術期管理の進歩とともに改善されてきた. しかし重症例と高齢者の治療成績はいまだ不良である2)7). 高齢のくも膜下出血患者の増加に伴い, さまざまな施設において手術成績や予後を踏まえ治療方針を模索している現状である. 今回当院において1995年4月開設以降, 約10年間に経験した80歳以上の超高齢者でのくも膜下出血患者の予後を調査し, 若干...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:脳卒中の外科 2007, Vol.35(6), pp.432-436
Hauptverfasser: 吉岡, 裕樹, 井川, 鋭史, 渡辺, 高志
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血の予後は, 破裂脳動脈瘤の処理だけではなく, 破裂時の脳損傷や, 続発して起こる遅発性脳血管攣縮や水頭症など局所および全身合併症の管理によって大きく変わるものである. 現在までにくも膜下出血の予後は手術手技を含めた周術期管理の進歩とともに改善されてきた. しかし重症例と高齢者の治療成績はいまだ不良である2)7). 高齢のくも膜下出血患者の増加に伴い, さまざまな施設において手術成績や予後を踏まえ治療方針を模索している現状である. 今回当院において1995年4月開設以降, 約10年間に経験した80歳以上の超高齢者でのくも膜下出血患者の予後を調査し, 若干の知見を得たので報告する. 「対象および方法」1995年4月から2005年9月までに脳動脈瘤破裂による, またはそれが強く疑われたくも膜下出血にて当科に入院となった患者は159例であった. そのうち80歳以上の症例25例を対象とした.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.35.432