未破裂脳動脈瘤クリッピング術前後の3D-SSP解析による脳血流評価とMini-Mental State Examination(MMSE)による高次機能評価

「はじめに」未破裂脳動脈瘤の手術はあくまでも予防的手術であり,術後は術前と同レベルの生活への復帰が求められる.未破裂脳動脈瘤の開頭クリッピング手術は現在ではほぼ確立された感じがあり,その手術成績はmortality 0-1%,morlbidity2-5%程度とする報告が多いが,近年,術後の頭部CTやMRIにて明らかな病変がないにもかかわらず高次機能障害や脳血流低下を示す症例が報告され1)-4),術後の軽微な脳機能障害や潜在性の脳血流低下にも注意が向けられるようになってきた.1998年に報告された未破裂脳動脈瘤国際共同研究(ISUIA)5)ではMini-Mental State Examinat...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 2006, Vol.34 (3), p.185-189
Hauptverfasser: 高田英和, 佐々木雄彦, 大里俊明, 早瀬一幸, 渡部寿一, 木村憲仁, 上山憲司, 瀬尾善宣, 中川原譲二, 中村博彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」未破裂脳動脈瘤の手術はあくまでも予防的手術であり,術後は術前と同レベルの生活への復帰が求められる.未破裂脳動脈瘤の開頭クリッピング手術は現在ではほぼ確立された感じがあり,その手術成績はmortality 0-1%,morlbidity2-5%程度とする報告が多いが,近年,術後の頭部CTやMRIにて明らかな病変がないにもかかわらず高次機能障害や脳血流低下を示す症例が報告され1)-4),術後の軽微な脳機能障害や潜在性の脳血流低下にも注意が向けられるようになってきた.1998年に報告された未破裂脳動脈瘤国際共同研究(ISUIA)5)ではMini-Mental State Examination(MMSE)の変化を合併症としており,治療1カ月後と12カ月後で評価を施行している.これを受けて日本未破裂脳動脈瘤悉皆調査(UCAS Japan)でも初期のプロトコールではMMSEは導入されていなかったが2002年度後半からは協力可能な施設においてMMSEも追加された6).また,最近施行されている脳血流検査における3D-SSP解析7)は標準脳との比較による局所的脳血流の変化の評価に有用である.
ISSN:0914-5508