くも膜下出血における血管内皮細胞障害: 血管内手術と開頭手術の比較

血管内皮細胞は, 正常な状態においては, 血管を保護する機能を有しているが, 炎症反応が生じた場合には, 接着因子が産生され, 白血球の癒着や遊走が生じ, 向凝固状態となり, 血管透過性も亢進し, 内皮細胞機能が低下する. くも膜下出血後にも, このような血管内皮細胞における炎症反応が惹起されて, その後に生じる血管攣縮や, 凝固の亢進に影響を与えている可能性がある. また, 開頭クリッピング術と血管内手術による塞栓術を比較した場合, 開頭手術における手術侵襲が血管内皮細胞の炎症反応に与える影響は, 分子生物学的に明確にはなってはいない. そこで, われわれは, 基礎研究によってくも膜下出血後...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 2004, Vol.32(5), pp.325-330
Hauptverfasser: 神保, 洋之, 杉山, 健, 唐沢, 秀治, 佐々木, 晶子, 池田, 幸穂, 阿部, 琢巳, 立川, 哲彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:血管内皮細胞は, 正常な状態においては, 血管を保護する機能を有しているが, 炎症反応が生じた場合には, 接着因子が産生され, 白血球の癒着や遊走が生じ, 向凝固状態となり, 血管透過性も亢進し, 内皮細胞機能が低下する. くも膜下出血後にも, このような血管内皮細胞における炎症反応が惹起されて, その後に生じる血管攣縮や, 凝固の亢進に影響を与えている可能性がある. また, 開頭クリッピング術と血管内手術による塞栓術を比較した場合, 開頭手術における手術侵襲が血管内皮細胞の炎症反応に与える影響は, 分子生物学的に明確にはなってはいない. そこで, われわれは, 基礎研究によってくも膜下出血後の血管内皮細胞障害について, 特にくも膜下出血にさらに脳への直接的ダメージが加わったと想定したモデルを作成し, 分子生物学的にアプローチした. さらに, 臨床研究として開頭手術患者と血管内手術患者における血中に存在する内皮細胞障害のマーカーを比較し, 手術手技によって内皮細胞障害に違いがあるのかどうかを検討した.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.32.325