Cyclodextrinによるinterleukin 1産生増強作用
Cyclodextrin(Cd)は, glucoseがα1, 4-glucoside結合により環状に連なったオリゴ糖で, 6~12個のglucose単位からなる同族体が知られている. この分子内の疎水性の空洞の大きさに応じて種々のゲスト分子を取り込み, 包接化合物を形成することが知られ, 水難溶性物質の溶解性, 安定性の向上, 薬物のbioavailabilityの向上などに用いられている. たとえば, 酸化されやすく投与すると局所的な炎症を引き起こす抗癌剤benzaldehydeとβ-cyclodextrin(βCd)のcomplexは, 経口または直腸投与が可能で, 免疫療法剤として有用で...
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Veröffentlicht in: | 炎症 1996/09/10, Vol.16(5), pp.335-344 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | Cyclodextrin(Cd)は, glucoseがα1, 4-glucoside結合により環状に連なったオリゴ糖で, 6~12個のglucose単位からなる同族体が知られている. この分子内の疎水性の空洞の大きさに応じて種々のゲスト分子を取り込み, 包接化合物を形成することが知られ, 水難溶性物質の溶解性, 安定性の向上, 薬物のbioavailabilityの向上などに用いられている. たとえば, 酸化されやすく投与すると局所的な炎症を引き起こす抗癌剤benzaldehydeとβ-cyclodextrin(βCd)のcomplexは, 経口または直腸投与が可能で, 免疫療法剤として有用であることが報告されている1). 近年, Cdの誘導体が多数開発され, その側鎖に多数の硫酸基を導入してヘパリン様作用をもたせるなどの試みも行われている2). 一方, ある種のオリゴ糖には免疫賦活作用のあることが報告され, レンチナンやキチンなどの直鎖状多糖体, オリゴ糖による宿主免疫能賦活作用が報告され, Cdもマウス腹腔内に直接単独投与することにより好中球のsuper oxide産生を増強することが報告された3). IL-1を含むproinflammatory cytokineは, 炎症誘発因子として論じられることが多いが, 基本的には食細胞やリンパ球の賦活作用など生理的な生物活性因子として機能することも事実である. それゆえ, 免疫防御機能の低下(たとえば好中球機能低下に伴う重度感染症)をきたす疾患において, IL-1産生を増強させることは治療上の合理性があると思われる. このような目的から今回, マウス腹腔マクロファージの試験管内IL-1産生に対するCdの効果を検討した. Cdとしてglucose6, 7, 8個からなるα-, β-, γCdを使用した. |
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ISSN: | 0389-4290 1884-4006 |
DOI: | 10.2492/jsir1981.16.335 |