非ステロイド抗炎症剤による胃粘膜障害の新たな評価 (第3報) ―内視鏡下薬物直接投与法による
鎮痛ならびに抗炎症効果のある非ステロイド抗炎症剤の使用による消化管への副作用は, NSAIDs(nonsteroidal antiinflammatory drugs)誘発胃十二指腸粘膜障害として臨床上大きな問題となっている1~3). このNSAIDsによる粘膜障害は, Shoen4)らによれば粘膜への直接作用によるものと, 消化管より吸収後に血行を介したプロスタグランジン(PGs)合成抑制などを発現させて粘膜障害にいたる二つの経路があるとされている. 今日までの消炎鎮痛剤(NSAID)による胃粘膜障害の実験的検討では, その体重当たりの投与薬物量は非常に多量であり, 薬理作用の発現は, 消化...
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Veröffentlicht in: | 炎症 1995/05/20, Vol.15(3), pp.249-254 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 鎮痛ならびに抗炎症効果のある非ステロイド抗炎症剤の使用による消化管への副作用は, NSAIDs(nonsteroidal antiinflammatory drugs)誘発胃十二指腸粘膜障害として臨床上大きな問題となっている1~3). このNSAIDsによる粘膜障害は, Shoen4)らによれば粘膜への直接作用によるものと, 消化管より吸収後に血行を介したプロスタグランジン(PGs)合成抑制などを発現させて粘膜障害にいたる二つの経路があるとされている. 今日までの消炎鎮痛剤(NSAID)による胃粘膜障害の実験的検討では, その体重当たりの投与薬物量は非常に多量であり, 薬理作用の発現は, 消化管より薬物が吸収され, 血行を介して胃壁に到達する経路と, 薬物が胃粘膜に直接作用する経路の両作用の複合的結果として発現している. したがって, 従来の投与実験系では, 血行を介した粘膜障害と直接障害が明確に区別できなかった. 筆者らは内視鏡観察下に胃粘膜の局所に粉末薬物を投与する装置を開発し, 胃粘膜への薬物障害について報告してきた5~7). |
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ISSN: | 0389-4290 1884-4006 |
DOI: | 10.2492/jsir1981.15.249 |