酸性非ステロイド系抗炎症薬物による好中球活性酸素生成の変動

酸性非ステロイド系抗炎症薬物(NSAIDs)としていろいろの薬物が研究されてきたが, その代表的なものがindomethacinといえよう. このindomethacinは強いシクロオキシゲナーゼ阻害作用を持つことが明らかにされ1), また, シクロオキシゲナーゼ生成物には強い炎症効果を持つものがあることから2, 3), この薬物の抗炎症作用の主要因子はシクロオキシゲナーゼ阻害に由来すると考えられてきた. しかし最近になってこの薬物作用の濃度依存性から, この抗炎症作用が好中球の刺激応答性(活性酸素生成を含む)の初期反応の阻害によるもので, シクロオキシゲナーゼ阻害以外の機序も提案されている4...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:炎症 1993/03/31, Vol.13(2), pp.125-131
Hauptverfasser: 岩田, 真, 佐伯, 清美, 小渕, 浩嗣, 渡部, 嘉哉, 水上, 佳与子, 吉岡, 保, 小林, 純郎, 友田, 三保, 内海, 耕慥
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:酸性非ステロイド系抗炎症薬物(NSAIDs)としていろいろの薬物が研究されてきたが, その代表的なものがindomethacinといえよう. このindomethacinは強いシクロオキシゲナーゼ阻害作用を持つことが明らかにされ1), また, シクロオキシゲナーゼ生成物には強い炎症効果を持つものがあることから2, 3), この薬物の抗炎症作用の主要因子はシクロオキシゲナーゼ阻害に由来すると考えられてきた. しかし最近になってこの薬物作用の濃度依存性から, この抗炎症作用が好中球の刺激応答性(活性酸素生成を含む)の初期反応の阻害によるもので, シクロオキシゲナーゼ阻害以外の機序も提案されている4). この初期反応については, リガンドの受容体への結合につづくGTP-結合蛋白質(G蛋白)の関与が考えられ, これに対する薬物の作用が報告されている5). この好中球の初期反応の一つにそのpriming反応とよばれるものがあげられる. われわれは最近, このpriming反応がtyrosine kinase活性に強く依存していることを明らかにし6), さらにそれと並行して好中球の2~3の蛋白質のチロシン残基が強くリン酸化されることを報告した7).
ISSN:0389-4290
1884-4006
DOI:10.2492/jsir1981.13.125