好中球アルカリホスファターゼ (NAP) の基礎的臨床的検討
好中球アルカリホスファターゼ(NAP)は, ふるくから血液疾患の検査として知られ, 特に慢性骨髄性白血病においては, 著明な低値をとるとされてきた1). また, 最近では急性骨髄白血病のなかでも(8;21)転座型のものでは, 低値を示すものが多いことが知られている2). 一方, 感染症, 妊娠などではNAPが高値をとり3~5), 先天的な欠損症や, 類似の症例では易感染性を示し5, 6), 感染防御の一翼を担っていると考えられる. また, 実験面では, 成熟度の判定などに利用されている. こういった臨床的な一現象としてNAPは捉えられているが, その機能については他のアルカリホスファターゼ(A...
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Veröffentlicht in: | 炎症 1992/05/10, Vol.12(3), pp.233-237 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 好中球アルカリホスファターゼ(NAP)は, ふるくから血液疾患の検査として知られ, 特に慢性骨髄性白血病においては, 著明な低値をとるとされてきた1). また, 最近では急性骨髄白血病のなかでも(8;21)転座型のものでは, 低値を示すものが多いことが知られている2). 一方, 感染症, 妊娠などではNAPが高値をとり3~5), 先天的な欠損症や, 類似の症例では易感染性を示し5, 6), 感染防御の一翼を担っていると考えられる. また, 実験面では, 成熟度の判定などに利用されている. こういった臨床的な一現象としてNAPは捉えられているが, その機能については他のアルカリホスファターゼ(AIP)と同様ほとんど明らかにされていないのが現状である. 今回筆者らは, NAPを生化学的に定量するにあたり細胞局在を考慮して測定を試みた. 方法 (1)顆粒球(PMN)の採取(図1) Percoll(Pharmacia社)gradicntによる濃度勾配法にてPMNを採取した7). PercollにNaClを加え0.15Mとし, これを100%Percollとし, 生理的食塩水にて71%, 55%に希釈した. 71%, 55%のPercollを試験管に重層し, そのうえにヘパリン加血を重層した. 350g×20min遠沈したのち, PMN層を採取した. |
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ISSN: | 0389-4290 1884-4006 |
DOI: | 10.2492/jsir1981.12.233 |