地域連携によりマウスガードの長期継続使用が可能となり自傷行為による咬傷が軽減したLesch-Nyhan症候群の1例
Lesch-Nyhan症候群は,尿酸の代謝酵素に関わる遺伝子の異常により起こる遺伝子疾患で,自傷行為がみられる.同症候群患者に対し,地域連携によりマウスガード(MG)の長期継続使用が可能となり,自傷行為による咬傷が軽減した症例を経験したので報告する.症例:16歳男性.障害:Lesch-Nyhan症候群,知的障害(重度).主訴:咬傷を防いでほしい.既往歴:生後6カ月で哺乳異常や自傷行為などの臨床所見,尿酸値上昇などの生化学的所見,および遺伝子診断により同症候群と診断.現病歴:生後6カ月より自傷行為がみられ,4歳より増悪.現症:咬耗と咬傷が認められた.治療および経過:4歳時,ソフトタイプのMGの装...
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Veröffentlicht in: | 日本障害者歯科学会雑誌 2019, Vol.40(1), pp.7-13 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | Lesch-Nyhan症候群は,尿酸の代謝酵素に関わる遺伝子の異常により起こる遺伝子疾患で,自傷行為がみられる.同症候群患者に対し,地域連携によりマウスガード(MG)の長期継続使用が可能となり,自傷行為による咬傷が軽減した症例を経験したので報告する.症例:16歳男性.障害:Lesch-Nyhan症候群,知的障害(重度).主訴:咬傷を防いでほしい.既往歴:生後6カ月で哺乳異常や自傷行為などの臨床所見,尿酸値上昇などの生化学的所見,および遺伝子診断により同症候群と診断.現病歴:生後6カ月より自傷行為がみられ,4歳より増悪.現症:咬耗と咬傷が認められた.治療および経過:4歳時,ソフトタイプのMGの装着を開始し不適となるたびに再製した.7歳時,咬傷ができ,その後永久歯の萌出に伴い再製の頻度が増したため,当科で鎮静下に印象採得した模型を基に地域の歯科と連携し,約1~2カ月ごとに再製した.12歳時,咬傷ができ抜歯も検討したが,増齢に伴い自傷行為が減少するという報告もあり,MGを再製することとした.永久歯列の完成と,永久歯列でのソフトタイプMGの短期間での破損などから,ハードタイプMGを作製し,装着までは暫間的MGを装着させた.13歳時にハードタイプMGが口腔内で破折し,再び地域連携の下ソフトタイプMGを作製した.15歳時,嘔吐反射が著しく装着を中断した.16歳の現在まで深刻な自傷行為はみられていない.今後も経過観察を続け,咬傷を認める場合は地域連携による対応を再開する予定である. |
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ISSN: | 0913-1663 2188-9708 |
DOI: | 10.14958/jjsdh.40.7 |