頸部造影超音波検査がステント内血栓症の診断と経過評価に有用であった1例

「はじめに」近年, 頸動脈狭窄症に対する頸動脈ステント術 (carotid artery stent : CAS) が広く普及している. CASの合併症の一つにステント内血栓症がある. その頻度は6~12%と報告されており, 脳塞栓症やステント内急性閉塞をきたし, 重篤な症状を呈する場合がある. これを予防するためには, ステント内血栓症を早期に診断し, 抗血栓療法の強化などの対策をとる必要がある. CAS後の頸動脈評価方法としては造影CTや脳血管造影があるが, 被曝や侵襲性の点から経時評価には適していない. また小血栓の検出は困難な場合もある. 近年, 超音波造影剤を使用した頸動脈超音波検査...

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Veröffentlicht in:Neurosonology 2018, Vol.31(3), pp.138-141
Hauptverfasser: 植村, 順一, 岩本, 高典, 松原, 俊二, 宇野, 昌明, 八木田, 佳樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」近年, 頸動脈狭窄症に対する頸動脈ステント術 (carotid artery stent : CAS) が広く普及している. CASの合併症の一つにステント内血栓症がある. その頻度は6~12%と報告されており, 脳塞栓症やステント内急性閉塞をきたし, 重篤な症状を呈する場合がある. これを予防するためには, ステント内血栓症を早期に診断し, 抗血栓療法の強化などの対策をとる必要がある. CAS後の頸動脈評価方法としては造影CTや脳血管造影があるが, 被曝や侵襲性の点から経時評価には適していない. また小血栓の検出は困難な場合もある. 近年, 超音波造影剤を使用した頸動脈超音波検査 (contrast-enhanced ultrasound : CEUS) により, ステント内血栓症を高感度に検出しうることが報告されている. 今回われわれは, ステント内血栓症の検出と抗凝固療法の追加による治療効果の評価にCEUSが有用であった1例を経験したので報告する.
ISSN:0917-074X
DOI:10.2301/neurosonology.31.138