海藻中のリチウム含有量: 化学溶出実験によるリチウムの溶出結果

1. はじめに リチウムは, 1949年Cadeによって躁病の治療に対して有効であることが発見されて以来口, 2], 現在では, 躁病あるいは躁うつ病の治療薬として用いられている[3]. また, 治療後の患者へのリチウムの投与は, 躁うつ病の再発予防に有効とされている[4, 5]. 著者らは, これまでリチウム摂取源となる有効な食品を調査した結果, 海洋魚, 特にカタクチイワシ(生魚1800±730ng/g, n=25;干物魚5400±3800ng/g, n=30, 乾燥重量)中に高濃度のリチウムが含まれていることを明らかにした[6]. 本研究では, ワカメ, コンブ, ヒジキ等の海藻中のリチ...

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Veröffentlicht in:BIOMEDICAL RESEARCH ON TRACE ELEMENTS 2004, Vol.15(4), pp.373-375
Hauptverfasser: 玉利, 祐三, 土屋, 和幸
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:1. はじめに リチウムは, 1949年Cadeによって躁病の治療に対して有効であることが発見されて以来口, 2], 現在では, 躁病あるいは躁うつ病の治療薬として用いられている[3]. また, 治療後の患者へのリチウムの投与は, 躁うつ病の再発予防に有効とされている[4, 5]. 著者らは, これまでリチウム摂取源となる有効な食品を調査した結果, 海洋魚, 特にカタクチイワシ(生魚1800±730ng/g, n=25;干物魚5400±3800ng/g, n=30, 乾燥重量)中に高濃度のリチウムが含まれていることを明らかにした[6]. 本研究では, ワカメ, コンブ, ヒジキ等の海藻中のリチウム含有量を調査するとともに, 化学溶出実験によりリチウムの存在状態についても解析した. 2. 実験 2. 1試料 市販の海藻食品(ヒジキ, ワカメ, コンブ, アラメ及びメカブ:生海藻16試料及び干物海藻30試料)46試料を, 種類及び産地(採取海域)別に分類し, 実験に用いた. ただし, 試料は水洗等の処理を加えることなく購入後直ちに分析した. なお, 海藻試料中のリチウム含有量は, 分析に用いた試料とは別に同試料を電気乾燥器中にて120℃で2時間乾燥し, 乾燥重量に換算して示した. 水分量は, 干物試料で7~16%, 生海藻試料で88~95%であった.
ISSN:0916-717X
1880-1404
DOI:10.11299/brte.15.373