(7)非切除進行食道癌に対しCPT-11を用いた温熱化学照射療法を行った症例

(背景, 目的)食道癌症例において術前補助療法として術前温熱, 化学, 放射線照射療法(Hyperthermo-chemo-radiotherapy:HCR)を行うことにより進行食道癌の局所制御を行い, 治療成績が向上することを報告してきた. しかし, 非切除進行食道癌にいたっては依然として予後不良である. 今回, 初めてカンプトテシン(CPT-11)を用いた温熱, 化学, 放射線照射療法を施行したので, レジメンの安全性と非切除進行食道癌の治療効果を報告したい. (方法)非切除進行食道癌を対象にIrinotecan, Cisplatin併用化学療法と, 温熱治療, 放射線照射を組み合わせた集...

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Hauptverfasser: 大賀丈史, 藤也寸志, 伊藤修平, 原口勝, 岡村健, 渡邉雅之, 池部正彦, 馬場秀夫, 前原喜彦
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:(背景, 目的)食道癌症例において術前補助療法として術前温熱, 化学, 放射線照射療法(Hyperthermo-chemo-radiotherapy:HCR)を行うことにより進行食道癌の局所制御を行い, 治療成績が向上することを報告してきた. しかし, 非切除進行食道癌にいたっては依然として予後不良である. 今回, 初めてカンプトテシン(CPT-11)を用いた温熱, 化学, 放射線照射療法を施行したので, レジメンの安全性と非切除進行食道癌の治療効果を報告したい. (方法)非切除進行食道癌を対象にIrinotecan, Cisplatin併用化学療法と, 温熱治療, 放射線照射を組み合わせた集学的治療を行った. 化学療法はIrinotecan 30mg/平方メートル, Cisplatin30mg/平方メートルで週1回3クール投与した. 抗癌剤投与と同時に温熱治療を週1回計3回行った. 放射線照射は毎日2Gy照射し, 合計60Gyまで施行した. (結果)症例は, 65歳男性, S状結腸癌の手術後に食道癌が認められ, 本人手術を希望されず温熱療法を希望された. 食道Mt-Lt領域に11cmにわたる2型病変, 生検にてwell to moderately differentiated squamous cell carcinomaの診断が得られていた. CTにて左主気管支への浸潤が疑われ, 大動脈弓下, 左半回神経周囲, 右噴門周囲, 左胃動脈周囲リンパ節転移を認めたclinical stageIII, T3N2M0の症例に対してIrinotecan, Cisplatin併用化学療法と, 温熱治療, 放射線照射を組み合わせた集学的治療を行った. 副作用としてgrade2の好中球減少を認めた. 食道透視では, 腫瘍縮小率97%, 内視鏡検査による組織診断でも癌細胞の遺残は認められなかった. しかし, リンパ節は著明に縮小するも遺残していたため総合的にPRの治療効果となった. (考察)新たなプロトコールによる食道癌の集学的治療は, 副作用を伴った結果となったが治療効果は腫瘍の著明な縮小をもたらした. 今後, 症例を積み重ねることにより治療効果と安全性を検証をすすめていくことが必要と考えられた.
ISSN:0911-2529